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【特集】【中国の視点】香港富豪の李嘉誠氏が中国を見切りか、本社をケイマンに


香港富豪の李嘉誠氏が率いる長江グループと和記黄埔有限公司の合併・再編・再上場計画は9日に明らかになった。合併後の新会社は長江和記録実業有限公司と長江実業地産有限公司となり、登記地はともにケイマン諸島にした。

今回の合併規模の大きさに世間が注目したほか、登記地はケイマンに移ったことを受け、様々な憶測が飛び交っている。

仮説1:投資嗅覚が鋭い李氏がチャイナ・リスクや人民元資産の先安を読んでいたため、一足先に香港から脱出した。香港は自由貿易港であり、利便性が高い上、法人税も高くないため、税金を節約するという観点では考えにくい。

仮説2:中国政府が今回の民主化デモに対し、過剰的に干渉したことに嫌気をさし、香港の政治に対する不安が高まっているとの見方も浮上している。

専門家は、中国リスクが当然存在していると指摘。ただ、李氏の従来のビジネス手法はやや時代遅れであるとの見方を示した。中国における腐敗取締りの強化を受け、政府幹部と企業が癒着してビジネスを展開することは危険すぎると指摘。また、香港社会において、不動産価格の急騰に伴う貧富格差の拡大を受け、デベロッパーの代表企業として長江グループは人々の怒りの発散対象になる危険性がある。今回のケイマン移転について、長江グループの成長モデル転換の一環だとみられている。
《ZN》

 提供:フィスコ

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