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【特集】コニシ Research Memo(2):ボンド販売後は住宅・建築業界向けで成長、連結子会社はM&Aで18社に


■会社概要

(1)会社沿革

小西儀助(こにしぎすけ)氏が1870年に大阪で薬の卸問屋「小西屋」を創業したのがコニシ<4956>の始まりである。その後、1880年頃に洋酒、缶詰類の輸入販売を開始し、1888年には大阪洋酒醸造会社を設立、ブランデーやワインなど、洋酒の製造販売を開始した。1912年には輸入アルコール、工業用薬品、洋酒、食料品などの卸売事業に専念し、製造業に関しては消毒液などに用いられた業務用アルコールのみ継続、その後1940年頃まで「アルコールの小西」として、国内のエチルアルコール需要の約40%を供給する有数の化学商社として成長していった。この化学商社としての歴史が現在の化成品部門の基礎となっている。

戦後に入り、1952年に現在の主力製品である合成接着剤「ボンド」の製造販売を開始した。製本の工程で用いられる接着剤として採用されたのが始まりであった。その後、「ボンド」が木工用として建築業界向けに採用され始めたが、この家具・住宅・建築市場への進出によって、同社はさらに成長が加速した。現在でも、この住宅・建築関連業界向け接着剤の製造販売が同社の主力事業となっている。

グループ展開としては1999年に無機系化学商品を扱う丸安産業(株)をM&Aにより子会社化したほか、2001年には土木・建築業界向けに工事請負事業を展開するボンドエンジニアリング(株)を設立した。また2003年には各種シーリング材の製造販売を手掛けるサンライズ・エム・エス・アイ(株)(以下サンライズMSI)を、2013年には工事請負事業を行う近畿鉄筋コンクリート(株)を、2014年には住宅関連接着剤メーカーの矢沢化学工業(株)をM&Aによって子会社化した。海外展開では2004年に中国に製造販売拠点を設けて以降、タイ、インド、インドネシア、ベトナムなどに進出している。2014年3月末時点では連結子会社18社(うち海外7社)となっており、連結従業員数は1,121名となっている。1994年に大阪証券取引所市場第2部に、1997年に東京証券取引所及び大阪証券取引所の市場第1部にそれぞれ株式上場した。

なお「ボンド」という名称は、世間一般ではあたかも接着剤の総称のように広く知られているが、正確には同社の主力製品である接着剤の「ブランド名」(登録商標)である。つまり、メーカー名が「コニシ」であり、その主力製品のブランド名が「ボンド」である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《FA》

 提供:フィスコ

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