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【通貨】欧米為替見通し:イエレンFRB議長の『忍耐』と『原油相場観』の射程


本日7日の欧米市場のドル・円は、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録に注目する展開となる。

連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、以下のポイントを見極めることになる。

1)イエレンFRB議長とFOMCメンバーの「忍耐」の共有

12月の連邦公開市場委員会(FOMC)では、利上げ開始までのフォワードガイダンス(将来の金融政策指針)が「相当な期間」から「忍耐強く」に変更された。

イエレンFRB議長は、2015年の1月と3月の連邦公開市場委員会(FOMC)は「忍耐強く」様子見に徹し、4月以降のFOMCでの利上げ開始を示唆した。

グリーンスパン第13代FRB議長は、2004年1月のFOMCで「相当な期間」から「忍耐強く」に変更し、6月のFOMCで利上げを開始した。

イエレンFRB議長は、2004年にサンフランシスコ地区連銀総裁に就任しており、「忍耐」とは6ヶ月程度と認識したことで、2014年3月の「利上げまで6ヶ月程度」との失言に繋がったと思われる。

2)原油価格下落の影響:デフレ懸念とジャンク債懸念

イエレンFRB議長は、「負債を負った企業が、原油価格の下落によって痛手を被ることは、重大な懸念事項ではない。原油価格の下落の影響は、米国の経済にとって差し引きでプラスになる可能性があり、総合インフレ率への影響は一時的なものである」と述べている。

ヌアイミ・サウジアラビア石油鉱物資源相は、原油価格が20ドルまで下落しても減産には踏み切らない、と述べており、FOMCでの原油価格の見通しに注目することになる。

原油価格の下落はデフレ懸念を高めることになり、住宅バブルを破綻させた債務担保証券(CDO)市場の崩壊と同様に、シェールオイル開発を支えた社債担保証券(CBO)市場を崩壊させることになる。

【今日の欧米市場の予定】

17:55 独・12月失業率(予想:6.6%、11月:6.6%)
19:00 ユーロ圏・12月消費者物価指数速報値(前年比予想:-0.1%、11月:+0.3%)
19:00 ユーロ圏・11月失業率(予想:11.5%、10月:11.5%)
21:00 米・住宅ローン申請指数
22:15 米・12月ADP雇用統計(予想:+22.5万人、11月:+20.8万人)
22:30 米・11月貿易収支(予想:-420億ドル、10月:-434億ドル)
22:30 カナダ・11月貿易収支(予想:-2億加ドル、10月:+1億加ドル)
04:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(12月16-17日開催分)

英中銀金融政策委員会(8日まで)

《KO》

 提供:フィスコ

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