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【特集】新春お年玉企画(3) 杉村富生が斬る!未年「有望株!」


「“アベクロ”バブル相場は佳境に入る!」

●15年末には2万3000円絡みの水準

 2015年の株式市場は“アベクロ”バブル相場の3年目、いよいよ佳境入りとなろう。

 平成バブルでは3年目(1988年)にTOPIXが37%上昇している。日経平均株価は大納会に向けて、2万3000円絡みの水準を目指す、と考えている。

 企業業績は好調である。2014年度は10%強、2015年度は20%超の増益を確保できるだろう。

 20年にわたるデフレ、円高下での経営改善効果に加え、円安・原油安が寄与している。2015年度の増益率は米国企業の3%、欧州企業の9%、アジア企業の11%を大幅に上回る。

 安倍政権はアベノミクス(3本の矢)、黒田日銀総裁は異次元の金融緩和を断行している。ともに、狙いは日本再生、失われた20年の克服、円高阻止、デフレ脱却にある。

 これは達成されるだろう。現状では安倍政権は最長6年の長期政権になる。経験則的には長期政権→株高(佐藤政権、中曽根政権が好例)となっている。

 さらに、原油価格下落の翌年は株高、というアノマリーがある。いや、1986年は平成バブル、1998年はITバブルにつながった。今回も同じパターンではないか。

 GPIFの基本ポートフォリオの見直し(日本株のウエイトを12%→25%、外国株を同12%→25%、外国債券を同11%→15%に引き上げ)では日本株の買い余力が12兆円、外国証券(株式、国債など)の買い余力が21兆円増加する。

 日銀のETF買いは1兆円→3兆円に増額されている。

●為替は1ドル=135円に挑戦!

 株価、為替との相関係数が高いマネタリーベースは2013年3月の135兆円が2013年末には193兆円と激増(異次元の金融緩和)、今回の追加金融緩和によって、2014年9月の246兆円が2015年末には355兆円に膨らむ。

 これは円安・株高要因となる。もちろん、国策は円安・株高であり、政府は資産インフレ(財政再建の切り札?)の創出を狙っている。

 為替は円安傾向が一段と鮮明になろう。テクニカル的には早晩、金融危機前の1ドル=124円14銭(2007年6月)を抜け、次はチャート上のフシ目の135円04銭(2002年2月)に挑戦するだろう。

 長期的には1998年8月の147円64銭もあり得る。ただ、リスク要因としては「逆オイル・ショック」がある。1998~1999年には原油価格急落→ロシア・ルーブル危機があった。これを受け、1999年11月には一転し、101円35銭の円高局面が出現している。

 もちろん、日本株は出遅れが著しい。NYダウの直近高値は金融危機前の高値(1万4164ドル)を26.8%上回っている。しかし、日経平均株価は金融危機前の高値(1万8261円)に届いていない。この修正があろう。

 繰り返しになるが、企業業績は好調だし、スチュワードシップ・コード、コーポレートガバナンス・コードの導入を背景に、株主優遇姿勢(増配、自社株買い、株主優待など)が顕著に高まっている。

 需給は良好である。内外の機関投資家の買い意欲が旺盛なこと、および、個人の待機資金(MMF、MRFの残高)は13兆~14兆円ある。さらに、NISAの買い入れ額は年間100万円が120万円に増額される。

◆杉村氏のお薦め「2015年ポートフォリオ10銘柄」

UBIC <2158> [東証M]
日本駐車場 <2353>
アイロムHD <2372>
双日 <2768>
FFRI <3692> [東証M]
高度紙 <3891> [JQ]
gumi <3903>
ネクス <6634> [JQ]
みずほFG <8411>
共立メンテ <9616>

text.杉村富生:経済評論家

【2014年12月22日 記】
(「チャートブック週足集 新春特別号」No.2006より転載)
(「株探」編集部)

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