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【特集】健康コーポレーション<2928>収益成長のけん引役はRIZAP (ライザップ)


ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』12月15日放送において、健康コーポレーション<2928>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■事業概要
通販事業からスタートし、社名にもある「健康」を切り口に、M&A も積極活用しながら事業領域を拡大させてきた。現在は健康食品と並ぶ大きな収益の柱に成長したパーソナル・トレーニングジム運営のRIZAP (ライザップ) 事業が大きな注目を集めている。他にもアパレル関連、住関連ライフスタイル、エンターテイメントの各事業部門を有している。

■健康コーポのけん引役は
現在の同社の収益成長のけん引役はパーソナル・トレーニングジム運営のRIZAP 事業だ。RIZAP は通常のフィットネスクラブとは大きく異なる事業モデルとなっており、その特徴的な事業モデルが差別化要因及び高収益性要因を生み出している。

■RIZAPの事業モデルの特徴
RIZAP の事業モデルの特徴の捉え方はいろいろあるが、弊社では「2ヶ月間」という点が最大のポイントであると考えている。すなわち、RIZAP では顧客が目標とする減量効果あるいは体型改造の効果を実現させることを最大の売り物にしている。実現のためには、トレーナーと顧客が目標実現への強い意志を共有して取り組むことが重要だ。顧客が当初の目的意識を維持してトレーニング及び管理された食生活に集中して取り組むことのできる限界の期間と、トレーニングの効果が顕在化するのに必要な最低の期間の接点が2ヶ月間という時間軸の設定へとつながっていると弊社ではみている。

通常のフィットネスジムでトレーニングした場合に2年間かけても実現できるかどうか保証されない成果を、RIZAP では2ヶ月間で実現できるということになれば、顧客からすれば総支払額は大きく違わず、むしろ時間の節約になるということになり、RIZAP の費用対効果は高いという評価へとつながってくる。累計会員数が18000 人超、月間利用者数が5000 人超という現実は、RIZAP の料金体系(入会金税別50000円+2ヶ月間で税別298000 円) が決して割高ではないとして受け入れられていることの証明と言えよう。

■RIZAPの業績ベースは
RIZAP の月商は2014年7月の単月で900百万円を突破した。年換算では10000 百万円超の水準だ。同社はRIZAP 事業の会社計画を公表していないが、年商10000 百万円ペースというのは今年度の会社計画を上回るペースではないかと弊社では推測している。

しかしながら、月商が900百万円からさらに月を追って1000百万円、1100百万円と伸びると期待するのは要注意だ。なぜならば、RIZAP の既存店が実質的にはフル稼働状態にあるからである。こうした状況でさらに増収を図るには、 新規出店と朝や昼間の来客を増やして稼働率を高めるという2つの対応が考えらえる

同社は、RIZAP に対する旺盛な需要に対応して積極的に出店する方針だ。大きな枠組みとしては年間10店舗程度を出店し、2016年3月期末までには50-60店舗体制にすることを目指しているようだ。

新規出店で最大の制約条件はトレーナーの確保である。同社のようなパーソナル・トレーナー制度の場合、トレーナーに求められる資質として、トレーニングの知識だけではなく顧客との高いコミュニケーション能力なども要件に入ってくる。顧客のモチベーションを維持し目標実現にまで導くことができなければ顧客満足度の低下につながり、ひいては需要の低下につながるためだ。同社は現状、積極的にトレーナー採用を進めているが、トレーナーの質については妥協していない。その結果として、現状の採用ペースは社内計画に対して若干遅れ気味にあるようであるが、同社の2015年3月期及び2016年3月期の出店計画を狂わせることはないと弊社ではみている。

■稼働率は
稼働率向上のための有力な施策はシニア層の取り込みだ。RIZAP の顧客に占める60歳以上の顧客の割合はわずか3.4%にとどまっている。大手フィットネスジムが30%前後であることと比較すると、10分の1の水準だ。ここに、大きな成長ポテンシャルが存在していると言える。ただし、そのためにはTVCMをシニア層向けに新規制作するほか、シニア層に適した目標設定、すなわちシニア層専用のトレーニングプログラムの設定などの作業が必要になろう。

特にシニア層に適した目標設定(すなわちアピールポイント) がうまく他社と差別化できるかどうかは、ある程度の時間を費やして試行錯誤を行う必要があるかもしれないと弊社では考えている。日本の人口の4人に1人が65 歳以上という現状を踏まえれば、シニア層の取り込みに成功すれば店舗稼働率が向上して収益拡大に直接的に効いてくると想定されるため、今後のRIZAP 事業の動向を見る上での重要な視点となることは間違いないと弊社では考えている。

■今期業績見通し
2015 年3 月期通期の業績予想は、売上高37,062 百万円(前期比55.0% 増)、営業利益2,018百万円(同79.1% 増)、経常利益1,931 百万円(同48.2% 増)、当期純利益1,153 百万円(同57.3% 減) を予定している。これは期初予想から変更されていない。

RIZAP と通販事業において収益が計画比を上振れて推移していることが見て取れる。また、子会社群のなかでも、SD 社は利益面では計画比を若干上回るペースで来ているほか、アパレル関連子会社の収益改善も順調に進んでいる模様である。15 年3 月期下期に本格的な経営立て直しに取り組むイデア社などの不確定要因はあるが、こちらも大きな減益要因になることは考えにくいため、結果的にはRIZAP や通販事業の好調さがきちんと利益として残ることになろう。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送

《TM》

 提供:フィスコ

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