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【特集】サンワテクノス Research Memo(13):安定的かつ継続的な利益還元を重要視、赤字転落時でも配当継続


■株主還元

サンワテクノス<8137>は株主重視の姿勢を明確に打ち出しており、特に個人株主を大切に考えてIR活動を行っている。個人投資家・株主に対する説明会の開催や、マスコミや各種イベントを活用して積極的なIR活動を行っている。

株主還元においては配当によることを基本方針としており、安定的かつ継続的な利益還元を行うことを重要視した配当政策を採用している。この点は過去の配当額の推移に明白に現われている。過去15年間を振り返ると、減益や赤字転落もあったが、そうしたケースでも配当金は据え置かれ、リーマンショックのような経済・金融の重大局面でも同様であった。

配当の安定性という点では素晴らしい実績を有する同社ではあるが、好調な業績に対して配当の伸びが追いつかなくなっているのもまた事実だ。同社もその点は認識しており、2015年3月期の配当は2円増配して24円とすることを発表済みである。しかし、2円増配しても予想1株当たり利益に基づく配当性向は14.7%と、依然として15%を下回る水準が続くことになる。日本企業の中で、配当性向30%を基本とする企業が増えつつある現状を考えると、今後の検討余地は大きいと言える。

財務分析の項目でも言及したが、今後同社が中計の業績計画を実現した段階では、実は自己資本利益率(ROE)が低下してしまう可能性がある。この原因は当期利益の伸びよりも自己資本の伸びが高いためであり、その解決策の1つとして、理論上、配当の増額を指摘することが可能だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《FA》

 提供:フィスコ

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