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【市況】高岡隆一の【今日のポイントとヒント】 


「難しい相場だが短期買いで勝負するか」

 「経済危機が叫ばれるロシアとの関係は薄く、米国経済への影響は軽微」、このイエレン発言に東京市場は救われた。
 ただ、気がかりな面は多々ある。
 日本株に強気が多いという外国人、現物株の13年の買い越し額は15.1兆円、今年は1.2兆円と雲泥の差であること。本当に強気か疑問なポジションである。

 また、松井証券の信用評価損益動向、1万7621円まで戻した12月19日時点で-7.1%とマイナスだ。3000円も下の10月17日安値1万4529円時点で-15.6%。通常のボトム圏が-15~-20%であることを考えても、買い方の評価損益が-7.1%というのは異常な数値。多くの銘柄がこの上昇相場から置き去りになっている、そういう結果である。

 だから、NISA(ニーサ)口座に未投資金額が予想以上に残っているのも、MMFに大量の待機資金が残っているのも、「日経平均ほど儲かっていない」――こうした実感や「ねじれ」があるため。投資家は買うことに対して躊躇している精神状態ではないかと推察する。難しい相場なのである。

 ロシア問題は欧州に伝播し、いずれ日本にも影響が出るかもしれない。年明けにはギリシャでの選挙も気になる。潰れそうな南欧諸国の10年債金利が米国のそれよりも低いという「債券バブル」、大きな懸念材料である。これらを来年に持ち越しての短期ラリー、こう割り切る必要があるだろう。

 今年の本サイトへの寄稿は今号が最終となる。年末年始は海外から日本を見つめて新しい切り口で投資のヒントを述べたいと思います。
 2015年がより良い年になりますよう、心から願っております。

高岡隆一

(12月21日 記)

情報提供:高岡隆一の株価天気予報
(「株探」編集部)

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