【特集】【中国の視点】悪循環にはまったロシア、緊急利上げも前途多難(訂正)
下記のとおり修正します。
(誤)16日の終値ベースで米ドルに対して0.48%の上昇にとどまった。
(正)16日の終値ベースで米ドルに対して4.12%の下落となった。
ロシア中央銀行は16日早朝、主要政策金利を10.5%から17.0%への引き上げに踏み切った。即日から適用するという。通貨ルーブルが米ドルに対して前日15日に10%以上下落し、1日の下落率はロシアがデフォルト(債務不履行)に陥った1998年以来で最大となった。大幅な緊急利上げを受け、ルーブルが急伸する場面もあったが、16日の終値ベースで米ドルに対して4.12%の下落となった。
ただ、ウクライナ問題の解決や原油価格が反発しない限り、ロシアが再び1998年の悪夢をみる可能性が高いと指摘されている。15日のルーブル急落について、ロシア政府が石油大手ロスネフチへの資金支援が一因だと分析されている。ロスネフチは、約6250億ルーブル(15日のレートで100億米ドル以上)の融資を受けており、これがルーブルの買いを大幅に縮小させたと指摘された。また、大手VTBバンクやガスプロム銀行なども政府からの資金援助を受けていると報じられた。
ウクライナ・クリミア半島のロシア編入に伴い、欧米がこれまで最も厳しい対露制裁を実施している。大手企業が欧米などでの資金調達が困難になっているため、政府による追加の資金支援が避けられない。これは国内大手企業によるルーブル調達を減少させるほか、原油価格の先安感が強まっている中、国内からの外資引き揚げが一段と加速すると予測されている。
中国の専門家は、ルーブル安の進行に伴い、今年のインフレ率が10%以上に加速する可能性が高いとみている。また、国内預金の80%がルーブル建てとなっているため、ロシア国民の資産や可処分所得の目減りが予想以上に加速する恐れがあると指摘。これはプーチン政権の安定性にも悪影響を及ぼすと警告した。
《ZN》
提供:フィスコ