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【特集】【中国の視点】不動産バブル崩壊の最悪シナリオを想定、来年以降は6%台に成長減速も


UBSインベストメント・バンクは最新リポートで、中国の成長率が2015年以降に今年の7.5%(予想)前後から6%台に減速するとの見方を示した。不動産市場の低迷が内需に与える悪影響が予想以上になる可能性があると警告。UBSは、2015年の不動産の新規着工面積が前年比10-15%減少すると予測し、これが国内総生産(GDP)成長率を1.5%低下させると試算した。

また、中国国務院発展研究センターの夏斌金融研究所長はこのほど、不動産バブルの崩壊がすでに始まっていると指摘。中国の不動産バブルの崩壊が4段階を辿ると想定し、現時点はすでに第1段階に突入していると警告した。

ここでは、不動産価格の小幅下落と成約件数の減少が第1段階。この段階では、ローンを担保する不動産の資産品質がもっとも劣化しやすいと指摘された。銀行側は貸出引き締めに切り替えるため、中小デベロッパーなどがデフォルト(債務不履行)あるいは破産に陥る。第2段階は、貸出引き締めの連鎖が出始める時期になるという。不動産市場に関連しているセメントや鉄鋼、ガラスなど40業種がすでに過剰生産に陥っていると指摘された。不動産投資が一段と落ち込んだ場合、これら業界の倒産は避けられないため、GDPに直接影響すると分析された。

第3段階では、地方GDP増加ペースの減速に伴う地方政府の財政破綻。地方政府の財政収入のうち、不動産市場に関連した収入への依存度が平均で53%となり、100%の所もあると指摘された。なお、現時点では、すでに公有地の落札率の低迷が起きており、今年5月の公有地売却額はすでに前年同月比25%減少したというデータが出ている。第4段階では、理財商品(利回りの高い金融商品)への波及。この段階では、バブル崩壊が企業から個人に連鎖するため、社会不安定につながる恐れがあると警告された。

夏所長は、中国の不動産市場が上記の4段階を辿る確率が高いと警告。政府が最悪のシナリオを想定して早急に関連対策を講じる必要があると強調した。
《ZN》

 提供:フィスコ

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