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【特集】白鳩 Research Memo(5):国内Eコマース市場は成長途上、市場成長を上回る可能性も


■中期成長性の考察

白鳩<3192>は、いわゆる中期経営計画や、中期業績目標といったものを明示していない。しかし、大まかに中期的な収益拡大の方向性として、「20%成長を継続して売上高10,000百万円」を当面のターゲットとして掲げている。

同社の2014年8月期までの過去5年における売上高の年平均成長率は23.8%だった。同社が掲げる「売上高20%成長の継続」というのは、この過去実績から来ている。2015年8月期の会社予想売上高4,355百万円をスタートとして毎年20%成長すると、2020年8月期の売上高が10,836百万円となり10,000百万円を突破することになる。弊社では、同社の掲げる中期収益目標の実現可能性は十分に高いと考えている。その理由は以下のとおりだ。

(1)衣料品のEコマース化率の上昇による成長

日本の人口はすでに減少トレンドに入っており、インナーウェアの市場も成熟している市場であるため、市場規模拡大というシナリオを描くことは難しい。しかし、同社が属するEコマース市場という観点から見れば、Eコマース市場はまだまだ成長途上にある。経済産業省による電子商取引に関する調査によると、2013年のEコマースの市場規模は11兆1,660億円で、過去5年間の年平均成長率は12.9%と2ケタ成長を続けているが、Eコマース化率は3.67%にとどまっている。

下着を含む衣料品のEコマース化率はさらに低く、2013年で1.65%という水準にある。しかしこのEコマース化率は、今後加速する可能性が高いと弊社では考えている。ファーストリテイリング<9983>のEコマースへの本格参入の動きなどはこの流れに沿ったものと言えよう。そうなるとインナーウェア市場全体では横ばいだとしても、同社が主戦場とする「インナーウェアのEコマース市場」は2ケタ成長が続くと期待される。上記経済産業省による調査では、「衣料・アクセサリー小売業」のEコマース売上高は2011年に28.6%、2012年に21.5%、2013年に25.7%の成長を記録した。

前述のように、同社はインナーウェアのEコマース市場では他社に対して高い競争優位性を有しているため、こうした市場の伸びが同社の売上高にストレートに反映されるだけでなく、むしろ同社の売上成長は市場の成長をアウトパフォームする可能性が高いと考えられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《FA》

 提供:フィスコ

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