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【特集】トヨタなど:中国高級車市場で順調な伸び、ドイツ勢の牙城を崩せるか


中国の高級車販売市場が急拡大している。同市場についてプライスウォーターハウスクーパース(PwC)はこのほど、2013~20年までの年間平均成長率を11.5%と予想。一般車市場の2倍の速さで成長すると見通した。中でも高級SUV(スポーツ多目的車)に至っては、19.8%の成長率を予測している。理財週報が4日付で伝えた。

高級車市場では、足元でその勢力図に変化が生じている。これまで市場をリードしてきたアウディ、メルセデス・ベンツ、BMWのドイツ3強に顕著な減速感がみられ始めたためだ。これと対照を成すのは、トヨタ自<7203>の「レクサス」、日産自<7201>の「インフィニティ」、ホンダ<7267>の「アキュラ」といった日本勢を中心とする後方の第2集団。足元で販売を順調に伸ばしている。シェア拡大に向けて現地生産化に動き出すなど、中国本土で攻勢を強めている構図だ。これら第2陣営がドイツ勢の牙城を崩す展開となるのか??。今後の成り行きが注目されている。

この急成長を支えているのが、「80後」と呼ばれる1980年代生まれの若者世代。一人っ子政策の下で親の愛を一身に受けて育った彼らは、高い教育を受けて安定した仕事に就いている。親の支援を受けてマイホームもすでに手に入れており、金銭面に余裕がある。こうした彼らにとってのマイカーは、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、インフィニティなどの高級車ブランドが必然的な選択肢という。

こうした現象は、「富二代」と呼ばれる金持ちの子女だけに限らない。中産階級層「80後」の間でみられる。物が豊かな環境下で育った彼らは、生活の質にこだわる傾向にあるという。この点から見ても、高級車市場の成長余地は巨大だ。
《ZN》

 提供:フィスコ

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