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【市況】前場に注目すべき3つのポイント~日銀短観を注視、エボラ関連に改めて関心が向かうか


10月1日の前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:短観悪化なら追加緩和期待に、物色は政策関連や業績材料へ
■外資系証券の注文動向:差し引き530万株の売り越し
■前場の注目材料:イビデン<4062>は今期の業績計画を大幅に下方修正

■短観悪化なら追加緩和期待に、物色は政策関連や業績材料へ

☆日経225想定レンジ:上限16250円-下限16150円

1日の東京市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。9月30日の米国市場は、引き続き香港の民主派によるデモへの警戒感から上値の重い展開となり、NYダウ、ナスダックともに小幅な下げとなっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比60円高の16200円、円相場は1ドル109円65銭辺りとやや円安に振れており、朝方は前日の下げに対する自律反発が意識される。

ただし、香港のデモは長期化するとの懸念もあり、上海・香港市場が休場となる中では、判断材料にも欠けるため、方向感が掴みづらい状況だろう。日経平均は16200円辺りでのこう着といったところか。一方、政策期待から押し目買い意欲は強いとみられ、16000円接近では下値の堅さが意識されよう。

また、本日は日本銀行が企業短期経済観測調査(短観9月調査)を発表する。短観については、大企業製造業DIがプラス10と、2四半期連続で悪化が見込まれている。短観の悪化等については、消費税率10%への引き上げ判断を控えていることもあり、市場では追加緩和期待などにつながりそうである。

そのほか、物色は引き続き政策関連や業績などが手掛かりになろうが、一部報道では「カジノ法案は10月前半の衆院通過を」と報じられている。カジノ関連への物色が再燃するようだと、より国会での発言等に市場の関心が向かいやすくなるだろう。一方、反応薄となるようだと、業績等を手掛かりにした個別物色に限られる可能性がある。出来れば全員参加型のテーマ材料等が欲しいところである。

なお、米疾病対策センター(CDC)は9月30日、米国内で初めてエボラ出血熱の感染者を確認したと発表した。治療薬への期待から富士フイルム<4901>等の関連銘柄に資金が集まりそうである。一方で、米国内での感染者確認により、今後は世界への拡大が警戒されるなか、相場全体の重しになる可能性も意識しておく必要がありそうだ。

■外資系証券の注文動向:差し引き530万株の売り越し

朝の外資系証券6社経由の注文状況は、売り1910万株、買い1380万株、差し引き530万株の売り越しとの観測。なお、直近5日分の注文動向は以下の通り。

9月24日(水):360万株の売り越し
9月25日(木):160万株の買い越し
9月26日(金):60万株の買い越し
9月29日(月):490万株の売り越し
9月30日(火):600万株の売り越し

■前場の注目材料

・イビデン<4062>は今期の業績計画を大幅に下方修正
・ニコン<7731>、4-9月期営業利益は50億円程度とコンセンサスを下回る公算
・エボラ出血熱、米で初の感染者

☆前場のイベントスケジュール

<国内>

08:50 9月調査日銀短観(予想:大企業製造業DI:10、非製造業DI:17)

<海外>

10:00 中国・9月製造業PMI(予想:51.0、8月:51.1)
10:30 豪・8月小売売上高(前月比予想:+0.4%、7月:+0.4%)

《KO》

 提供:フィスコ

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