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【経済】NYの視点:スコットランド独立投票、アンディ・マレー選手が土壇場で賛成票を押し上げ


スコットランド独立の是非を問う注目の住民投票が開始された。即日開票し、大勢判明は米国東部時間午前3-4時、日本時間で19日午後の見通しとなっている。住民投票の結果次第では307年の歴史を持つグレートブリテン(イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランド)が分裂することになる。

最新の世論調査では僅差ながら「No」Vote反対票が「Yes」Vote賛成票を上回っている。しかし、依然、浮動票も多く不透明な状況。スコットランドの運命はまだ判断を迷っている有権者の手にゆだねられる形となった。そんな中、投票開始直前に賛成票が急増したと伝えられている。スコットランド人のプロテニスプレーヤー、アンディ・マレー選手がツィートで270万人のフォロワーに向けて独立支持を表明したためだという。投票では情熱のある若年層の有権者が独立を支持、変化を好まない高齢の有権者は反対票に回っていると言われている。ウィブルドンの勝者27歳のムリー氏が若い有権者に火をつけたようだ。各種選挙では18歳から付与される投票権を、初めて16歳以上に拡大されており、若年層の取り込みを狙ったとの臆測もある。

スコットランドの独立協議では北海油田の収益が焦点になっている。スコットランドは39億ポンドを英国経済に貢献していると言われている。独立に伴い、収益を債務の返済などにあてることが可能となる。投票結果公表を控えて、金融各社のストラティジストはおそらく反対票が過半数を占めると見込んでいる。このため、賛成票が過半数を占めた場合はネガティブサプライズとなりポンドが急落する可能性を指摘。どちらにしても、ポンドの大きな変動が予想されている。

■投票結果を受けた各社の反応予想

モルガンスタンレー
・賛成票が過半数を占めた場合ポンドの売り圧力はおそらく強まる。
・来年まで長期的なポンド・ドルの下落を予想。

ジェフリーズ
・否決された場合、ポンドは反発。ただ、賛成票が過半数を占めた場合のネガティブサプライズは大きい。しかし、賛成票が過半数を占める可能性は低いと考える。

ソシエテ・ジェネラル
・賛成票が過半数を占めた場合、スコットランドは3つの脅威、1)規制、2)通貨、3)税制、に直面することになる。

GS
・多くのスコットランド人は実際の投票では、世論調査に示されるよりもより安全な選択をすることになるだろう。
・独立は複雑で、不透明感が混乱につながる

HSBC
・投票結果には不透明性が強く、ポジションは中立を推奨。
・反対票が過半数を占めた場合、ポンド・ドルは反動で1.65ドルを目指す。一方、賛成票が過半数を示した場合、1.55ドルを目指すと予想。
・どちらにしてもポンドの変動率は一段と上昇。

ピムコ
・独立が決定した場合でも、スコットランドはポンドの使用を継続せざるを得ない可能性がある。英国中銀は引き締めが遅れる可能性がある。

JPモルガン
・賛成票が過半数を占めた場合、ポンドは今後数週間に6-7%下落。

ノムラ
・スコットランドが独立の道を歩む場合、新生英国よりもスコットランドの経済が悪化する可能性が強い。

《KO》

 提供:フィスコ

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