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【注目】話題株ピックアップ【夕刊】(1):九電工、神鋼環境、ジェイテクト、FPG

■九電工 <1959> 1,418円  +212 (+17.6%)   本日終値  東証1部 上昇率トップ
 8日、九電工 <1959> が15年3月期上期(4-9月)の連結経常利益を従来予想の38億円→71億円に86.8%上方修正。増益率が50.1%増→2.8倍に拡大する見通しとなったことが買い材料。公共事業や民間設備投資の増加などで売上が計画を上回ることが寄与する。施工・品質・コスト面の一元管理による原価低減で工事採算が改善することも利益を押し上げる。上期増額分を上乗せする形で、通期の同利益も107億円→140億円に30.8%上方修正。増益率が20.1%増→57.2%増に拡大する見通しとなった。前日終値ベースの予想PERが14.2倍→10.5倍に急低下し、割安感が強まったことも買いに拍車を掛けた。

■神鋼環境ソリューション <6299> 541円  +80 (+17.4%) ストップ高    本日終値
 8日、神鋼環境 <6299> [東証2]が、従属栄養培養方式によるユーグレナ(微細藻類)の本格培養を開始すると発表したことが買い材料。閉鎖型の培養槽を用いる従属栄養培養は、光合成培養に比べ単位面積当たりのバイオマス獲得量が数百倍程度となるとともに、気候など外部環境に影響されずに安定した培養を継続できる。同社ではフラスコ規模から1立方メートルの培養槽へとスケールアップすることに成功。また、筑波大学と共同で見出したユーグレナの新規株は、バイオ燃料として有望と考えられてきたユーグレナ・グラシリスZと比較してバイオマス生産性が2倍以上に達するという。15年度には10立法メートルの大型培養槽を完成させ、量産規模を拡大する計画。量産体制の整備に伴い、バイオ燃料、食品・化粧品、下水処理に加え、化成品などで商品化の検討を始めるとしており、将来的な業績貢献に期待する買いが殺到した。

■ジェイテクト <6473> 1,734円  +84 (+5.1%)   本日終値
 野村証券が8日付でジェイテクト <6473> の投資判断「バイ(買い)」を継続し、目標株価を1800円→2000円に増額したことが買い材料視された。リポートでは、世界シェア首位のステアリング事業が電動パワステを牽引役に再成長し、低収益に甘んじたベアリング事業や工作機械等事業が再建されるとの見方は不変と報告。同社をベアリング銘柄のトップピック(最優先の買い)に位置づけた。欧州拠点の7期ぶりの営業黒字化も寄与し、15年3月期の連結営業利益は780億円と最高益(08年3月期の777億円)を射程圏に捉えると予想。続く16年3月期は910億円、17年3月期は1030億円への拡大を見込んでいる。

■FPG <7148> 1,042円  +33 (+3.3%)   本日終値
 8日、FPG <7148> が14年9月期の連結経常利益を従来予想の27.7億円→31.1億円に12.1%上方修正。増益率が41.7%増→58.8%増に拡大し、従来の5期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料。今期業績の上方修正は7月に続き、3回目。主力のタックス・リース・アレンジメント事業で投資家からの旺盛な需要を背景に、出資金販売が計画を上回ることが利益を押し上げる。

■TDK <6762> 5,610円  +150 (+2.8%)   本日終値
 TDK <6762> が反発。日経新聞が9日付で「(TDKは)8日、京都大学の白石誠司教授や秋田県産業技術センターと共同で、電力をほとんど消費しない新しい原理のトランジスタを開発したと発表した」と報じたことが買い材料視された。報道によると「画面表示や計算のために情報を一時的に記憶する際に電力を使わない。パソコンやスマートフォン(スマホ)の消費電力が小さくなり、充電回数を大幅に減らせるという」としている。待機電力の抑制が可能で、パソコンやスマホのバッテリー駆動時間を伸ばすことにも期待が集まる。なお、本内容は11日に米物理学会誌に掲載されるとしている。

■リプロセル <4978> 832円  +22 (+2.7%)   本日終値
 リプロセル <4978> [JQG]が8日、米子会社ReproCELL USA Inc.が米Stemgent,Inc.のiPS細胞事業部門を譲受したと発表したことが買い材料。iPS細胞向けの研究試薬の製造・販売を手掛けるStemgentは、主要大学と大手企業を顧客に持ち、iPS細胞分野において世界を代表する実績とブランドを有する米国企業。事業譲受により同社グループのiPS細胞事業の製品ラインナップが大幅に拡大され、細胞の確保から初期化を経て分化誘導に至る全ての技術プロセスをカバーすることが可能になる。また、米国での販売機能の強化にもつながるとしている。iPS細胞事業の拡大による中期的な業績貢献に期待する買いが向かった。

■五洋建設 <1893> 403円  +9 (+2.3%)   本日終値
 五洋建 <1893> が続伸。日経新聞が9日付で「建設準大手の五洋建設はシンガポールで、同国最大規模となる病院の建設を受注した。受注額は960億円」と報じたことが買い材料視された。報道によると「日本の建設会社の単独での海外受注としても最大級となる」という。技術力が問われる高付加価値な医療施設建設分野での大型受注による、収益拡大を期待した買いが向かった。

■三菱電機 <6503> 1,401.5円  +30.5 (+2.2%)   本日終値
 8日、三菱電 <6503> がカタールの国営衛星通信事業者であるエスヘイルサット社から通信用の人工衛星を受注したと発表したことが買い材料視された。日本メーカーが中東から人工衛星を受注したのは初のことで、打ち上げは16年末の予定。打ち上げ後は東経26度の位置で静止し、大手放送局や政府系機関の通信サービスなどに使われるとしている。受注額は明らかにされていないが、同社では宇宙システムの開発を推進していくとして、今後の受注拡大に期待した買いが向かった。

■川崎汽船 <9107> 259円  +2 (+0.8%)   本日終値
 川崎汽 <9107> が続伸。日経新聞が9日付で「川崎汽船は大型発注を再開する。2015年から18年にかけて1000億円強を投じ、10隻の大型コンテナ船を導入する」と報じたことが買い材料視された。報道によると「リーマン・ショック以降はコンテナ船の大規模発注を見合わせていたが、主要航路であるアジア欧州間の荷動きが活発になっており、受注拡大や運航コストの3割削減につながる大規模投資で競争力を高める」という。輸送需要や運賃回復による大型発注の再開を好感した買いが向かった。

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