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【特集】ソルクシーズ Research Memo(4):通期では78.5%営業増益見通し、中国の電子棚札普及に注目


■業績動向

(2)2014年12月期業績見通し

ソルクシーズ<4284>の2014年12月期の業績見通しは、売上高が前期比11.4%増の10,760百万円、営業利益が同78.5%増の640百万円、経常利益が同30.7%増の600百万円、当期純利益が同29.7%増の350百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期累計業績がほぼ会社計画どおりの進捗だったこと、ソフトウェア業界の受注環境は金融業界向けを中心に第3四半期以降も引き続き好調に推移するとみられることから、計画達成の可能性は十分あるとみられる。

ただ、ソフトウェア業界全体として人材不足が深刻化している点がリスク要因に挙げられる。同社においてもほぼフル稼働に近い状態となっている。このため、受注見込み案件は豊富にあるものの人的リソースがボトルネックとなり、会社計画以上の受注上積みは難しくなっているのが現状だ。現在、開発の5割弱を外注で賄っているが、来期以降の受注拡大に向けては新規外注先の確保が課題になっている。

同社ではこうした課題に対して、5月に業務提携したCYOLABのフィリピン開発拠点の活用や、ニアショア開発できる外注先の開拓を進めていく考えだ。なお、M&Aによるグループ内への取り込みも選択肢として考えられるが、M&Aコストが上昇していることや業界の好不況の波が大きいこともあり、現在は外注によるリソース確保を優先していく方針としている。

デジタルサイネージ事業については、太陽光発電工事の増収により国内事業で収支均衡水準までの改善を見込む。また、中国では電子棚札の普及・拡大への期待が高まっている。中国ではすべての医薬品の監督管理の電子化を目標に法制度が整備され、電子棚札が活用される可能性が出てきたためだ。既に現地SIベンダーと協業し、医薬品卸会社経由で大連の病院に納入している。協業先のシステム開発遅れによりまだ稼働はしていないものの、今後の状況次第では大病院を中心に普及していく可能性があり、その動向が注目されよう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《FA》

 提供:フィスコ

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