【経済】JR九州が客室乗務員廃止を検討
JR九州が来春までをめどにすべての特急列車(観光列車を除く)の客室乗務員廃止を検討していることが、分かった。乗務廃止する主な特急は「ソニック」「かもめ」「にちりん」「きりしま」で、九州新幹線と豪華寝台列車「ななつ星in九州」や、「ゆふいんの森」など観光列車の乗務は継続する。
今秋から一部で廃止し、来春までには全客室乗務員の2割にあたる50人程度の減員する予定という。客室乗務員は、車内での案内と、弁当・飲料・土産品などのワゴン販売をしているため、廃止により車内販売もなくなるという。
車内販売は当初から採算がとれておらず、赤字が続く鉄道事業の収益改善のため、人件費を削減するのが狙い。
車内販売の縮小傾向はJR各社で進んでおり、JR東海<9022>では2013年3月16日からすべての在来線特急列車で車内販売を終了、現在は東海道新幹線「のぞみ」「ひかり」でしか車内販売を行っていない。JR西日本<9021>でも2014年9月15日に近畿と北陸を結ぶ特急「サンダーバード」「しらさぎ」で車内販売が終了、車内販売を行う在来線の定期特急列車は紀伊半島へ向かう「くろしお」と、JR東日本<9020>系の日本レストランエンタプライズ(NRE)が乗務する北陸地方の特急「はくたか」「北越」だけになる。山陽新幹線でも、「こだま」では車内販売が行われていない。
車内販売の縮小の原因に列車の速度向上などで乗車時間が短くなっていることや駅中の売店の充実が挙げられる。駅の周辺や駅の中へのコンビニエンスストアの出店や、「エキナカ」と呼ばれる駅構内に展開される商業スペースに魅力ある店が数多く出店されているため、車内販売への需要が減少しているのだ。
しかし、収益性も大事だが、旅の思い出、楽しみとして車内でお弁当やアイスクリームを買うのを楽しみにする子供達の姿が見られなくなってしまうのはいささか寂しい気がする。
《YU》
提供:フィスコ