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【経済】白物家電の販売不振は想定以上の模様


日本電機工業会(JEMA)が26日発表した7月の白物家電の国内出荷額は前年同月比15.9%減の2261億円で、3カ月連続のマイナスとなった。減少幅が15%を超えるのは2011年11月の16.1%減以来、2年8カ月ぶり。
4月の消費税増税以降減少幅は拡大しており、天候不順でエアコンなどが伸び悩んだことに加え、消費税増税に伴う駆け込み需要の反動減もまだまだ影響していると見られる。
製品別では、出荷額全体の約5割を占めるエアコンが17.4%減の1075億円で、3カ月連続で前年を下回った。猛暑と景気回復で好調だった昨年に比べ今年は台風などによる天候不順で需要が伸びなかった。また、冷蔵庫が21.6%減の431億円、洗濯機が14.1%減の204億円となるなど、23品目中17品目が前年を下回った。
政府は26日、8月の月例経済報告で、消費税増税後初めて、景気の先行きについて駆け込み需要の反動の長期化や海外景気の下振れなどをリスクとして指摘したが、「景気は、緩やかな回復基調が続いており、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動も和らぎつつある」と基調判断は据え置いた。
しかし、日本チェーンストア協会が発表した7月の全国のスーパーの売上高も前年同月比2.1%減となり、百貨店(同2.5%減)、コンビニ(同0.7%減)とそろって4カ月連続のマイナスとなった。
天候不順も影響したとはいえ、政府の想定以上に消費の落ち込みは深刻なものになっていると言えるのではないだろうか。
三菱電機<6503>は6月下旬に炊飯器の新商品を、10月下旬からはエアコンの新製品を順次投入、日立アプライアンスは9月20日にドラム式洗濯乾燥機の新製品4機種を投入するなど、家電各社は年末商戦に向け新製品の発売時期の前倒しや高機能化でテコ入れする構えだが、8月も天候不順でエアコンや冷蔵庫などの出荷の落ち込みが予想される上、本格的な台風シーズンを迎え、消費回復の見通しは厳しそうだ。

《YU》

 提供:フィスコ

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