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【市況】新興市場見通し:ミクシィに代わる柱としてサイバーダインの動向が注目


先週の新興市場は、手掛かり材料難で物色の矛先が見出しづらい中で、方向感が乏しい展開となった。直近で物色の柱となっていたミクシィ<2121>の上昇に一服感が意識され、マザーズ市場、ジャスダック市場ともに売買代金は大きく減少。為替市場における円安進行を背景に景気敏感系の大型株へ資金がシフトし、中小型株の物色は一段と盛り上がりに欠ける格好にも。週間の騰落率は、日経平均が+1.4%であったのに対して、マザーズ指数は+0.5%、日経ジャスダック平均は+1.8%だった。なお、21日のマザーズ市場の売買代金は約960億円と1000億円の大台を割り込むなど、売買代金の減少傾向が顕著に。

個別では、ガンホー<3765>やDガレージ<4819>、竹内製作所<6432>など、ジャスダック市場の主力株が堅調だった。また、マザーズ市場では、DMP<3652>がウェアラブル端末関連のテーマ性が材料視され上値追いとなったほか、モルフォ<3653>は今期業績計画の上方修正が好感され賑わった。その他、大泉製<6618>は主力の自動車用温度センサーが独ロバート・ボッシュを通じて、欧州大手自動車メーカーの欧州・北米地域向け自動車用製品に搭載されることが決定したと発表し急伸へ。一方、ミクシィは週間で約2.0%の下落となったほか、サイバーダイン<7779>もさえない動き。また、PD<4587>やそーせい<4565>、リプロセル<4978>など、バイオ関連も売り優勢となった。

今週の新興市場は、中小型株に対する根強い物色意欲が支援材料となる一方、物色の柱が見出せない中で強弱感が対立する展開となりそうだ。日経平均が先週末に一時15600円台を回復するなど、国内株式市場の好地合いは引き続き、心理的な支援材料となることが見込まれる。ただし、マザーズ市場の売買代金は8月上旬の直近ピークから3分の1程度に減少するなど、短期資金による旺盛な売買はやや一服している。これは上昇が続いていたミクシィの伸び悩みが背景とみられ、当面は新興市場全体を牽引する新たな物色の柱の登場が待たれるところ。また、為替市場において一段と円安が進行し大型株に見直しの動きが強まる局面では、中小型株は物色の圏外に置かれてしまう可能性がある点にも留意したい。

個別では、ミクシィに代わる物色の柱としてサイバーダインの動向が注目されることになりそうだ。サイバーダインについては、東証が先週末に信用取引規制を解除しており、あらためて物色が強まることが見込まれる。その他、今週も手掛かり材料が乏しいとみられる中で、好材料の出た銘柄に短期資金が集中しよう。ちなみに、先週はウェアラブル端末関連としてDMP、車載向けセンサー関連として大泉製が賑わい、周辺銘柄にも物色が波及するなど、値動きの軽さを材料視したテーマ株物色は継続する公算。

また、先週はジェネレーションパス<3195>とリボミック<4591>の新規上場が承認された。先週末時点で、9月は6社のIPO(新規株式公開)が予定されており、約1ヵ月半ぶりに再開するIPO市場の活況が期待される。とりわけ、先週は直近IPO銘柄に上場来安値の更新が目立っており、売られ過ぎ感のある銘柄には見直しの動きも想定される。

《TN》

 提供:フィスコ

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