【経済】NYの視点:市場関係者はよりタカ派政策を期待=Fed調査
米連邦公開市場委員会(FOMC)開催を前に米経済専門局であるCNBCが7月に実施した調査で、対象となった36人のエコノミストやマネーマネジャーはFOMCのよりタカ派よりの政策を期待していることが明らかになった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策が「現在の緩和策が適切」と、「緩和的すぎる」との見方はほぼ半分に分かれた。「緩和的すぎる」との見解は2年前の調査では28%にすぎなかった。一方、「引き締め過ぎ」との見解は少数派に限られた。2年前の17%から低下。
労働市場が現在のペースで改善を続けインフレが抑制された場合、FRBは本年末までに利上げをする必要があるとの意見もあった。政策金利であるFF金利誘導目標の見通しは本年末が0.21%、2015年末が1.05%。回答者は最初の利上げを2015年8月に予想している。
本年の量的緩和第3弾(QE3)縮小ペースに懐疑的見方は見られなかった。QEは、FOMCが各会合で100億ドル規模の縮小を継続し、10月会合で150億ドル縮小することで終了すると見られている。
一方、マイナス成長に落ち込んだ1-3月期の国内総生産(GDP)を受けて、回答者は経済成長の見通しを引き下げた。2014年度の成長率は1.9%が予想されている。6月の調査では2.3%だった。2015年度は成長ペースの加速を予想しているものの、2.75%と、6月の3%から下方修正された。米国経済が景気後退(リセッション)に陥る確率は16%で維持された。
米国経済の最大の脅威は依然、税制や規制。ウクライナや中東情勢が米国経済、または世界の金融市場の安定を揺るがす可能性は最小にとどまると見ている。一方、米国10年債利回りの見通しは2014年2.82%、2015年3.15%にとどまった。
■市場関係者の見通し(CNBC)(36人のエコノミストやマネーマネジャーなどを対象)
■金融政策
緩和策が適切:43%(2012年7月43%)
緩和的過ぎる:49%(28%)
引き締め過ぎ:6%(17%)
■量的緩和第3弾(QE3)
現在のペースで縮小:72%(4月53%)
縮小ペース加速:19%(37%)
縮小ペースを鈍化:8%(11%)
■成長見通し
2014年:1.9%(6月2.3%)
2015年:2.75%(6月3%)
■消費者物価指数
2014年:2.02%(6月1.78%)
2015年:2.29%(6月2.02%)
■FF金利誘導目標
2014年末:0.21%(0.17%)
2015年末:1.05%(0.68%)
■米10年債利回り
2014年:2.83%(6月3.24%)
2015年:3.15%(6月2.9%)
■S&P500種指数
2014年末:2000(6月1956)
2015年夏:2053(2029)
2015年末:2075
《KO》
提供:フィスコ