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【特集】ダイナムジャパンHD Research Memo(7):パチンコ税導入に対しては賛成で前向きなスタンス


■トピックス/投資テーマ

(2)パチンコ税の考え方

○パチンコ税浮上の背景
パチンコ業界に対して、「パチンコ税」の議論が浮上してきた。パチンコ税の議論は以前から浮上しては消えているが、今回は、安倍政権が進める法人税実効税率引下げによる税収減の代替財源案として浮上したものである。前述のようにパチンコ産業は約20兆円の市場規模であり、1%の税率で2,000億円の財源になるとの試算もなされている。

パチンコ税が実現するかは全く流動的であるが、現状、報道されているところによれば、パチンコの景品を現金に交換する際に、いわば「換金手数料」という形で客が支払う案が検討されているようだ。

このスキームでの課税方式の場合、現行の「3店方式」との兼ね合いが問題となる。パチンコの景品を「3店方式」のもとで換金することは合法であるが、それは「3店方式」がパチンコ業界の枠外に存在しているからである。パチンコ税を今検討しているスキームで実行しようとすると、この3店方式をパチンコ業界内に取り込む(すなわち、パチンコの直接換金合法化)ことが必要になるとの見方がなされている。

このような立法論とは別に、パチンコ業界内では、パチンコ税に対しては反対の声が多い。「税」を負担するのがパチンコ店側でなく客であったとしても、結果的に客のパチンコ離れが起き店舗経営にマイナス影響が出ることを憂慮しての見方である。

○ダイナムジャパンホールディングス(06889/HK)のスタンス
同社は、パチンコ税導入に対して賛成の立場を明言している。パチンコ税を支払うことでパチンコ業界が「社会貢献業界」と位置付けられ、長期的には業界の安定的な成長に資することになると考えていることが伺える。

弊社では、パチンコ税の議論については、同社の考え方が、最も現実的で前向きであると考えている。カジノが合法化される可能性が高く、パチンコ税構想も今回は具体化する可能性があるためだ。カジノ解禁とセットですることで、財源確保に向けて議論が一直線に進む可能性が高まると弊社ではみている。

業績への影響については、短期的には影響がでる可能性は否定できない。しかし導入にただ反対を唱えるよりも、消費増税時のように、その対応や新たな集客策に知恵を絞る方が、よほど前向きなスタンスであろう。

もう1つ重要なポイントは、これまでパチンコホール運営会社が国内の証券市場に上場できなかった背景には「3店方式」の解釈が証券業界で定まっていなかったことがある。ここでこのハードルは一気に消えてしまう。これは、同社を含めたホール運営企業に国内上場の道を開くと共に、株価バリュエーションの面でも、「規制リスク業界」から「エンターテイメント企業」へと評価基準が変わる可能性を秘めていると言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《FA》

 提供:フィスコ

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