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【市況】米国株式市場見通し:4-6月期の決算発表シーズン入り、通期見通しに注目


4日が独立記念日で米国株式相場が休場となり、3日も午後1時までの短縮取引となることから、週を通じて閑散取引となった。週初は6月シカゴ購買部協会景気指数が予想を下振れしたことで売りが先行。その後5月中古住宅販売成約指数が予想を大幅に上回ったことで上昇に転じた。中国の製造業指数が予想を上回りアジアや欧州の株式相場が上昇したことが好感されたほか、6月自動車販売台数が予想を上回ったことで大幅上昇となった。注目の6月雇用統計では非農業部門雇用者数が28万8千人と予想を上回り、失業率も6.1%へと低下したことで週末にかけても上昇。ダウ平均株価は節目となる17000ドルを突破、S&P500指数も過去最高値を更新した。週を通じて主要株式指数は上昇。

ポータルサイトのヤフー(YHOO)はアナリストの投資判断引き上げで上昇。自動車のゼネラル・モーターズは追加リコールを発表したものの、6月自動車販売が予想を上回ったことで堅調推移となった。動画ストリーミングのネットフリックスはゴールドマン・サックスの投資判断引き上げ、バンク・オブ・アメリカはドイツ証券の投資判断引き上げを受けて上昇。一方でデルタ航空はワールドカップなどで南米向け路線を各社が増便しており、利益率が低下するとの懸念から軟調推移となった。

今週から4?6月期決算発表シーズンに入る。アルミニウムのアルコア(8日)と大手行ウェルズ・ファーゴ(11日)が決算発表を予定している。ファクトセット社による6月27日時点の調査では、S&P500構成企業全体では第2四半期に5.1%の利益成長が予想されている。セクター別では通信セクターが22.5%の利益成長となる一方で、金融セクターは2.3%の減益が見込まれている。売上高はS&P500全体では2.9%増、オバマケアの影響などでヘルスケアセクターが最も高い売上高成長の8.3%となる見込みだ。決算発表が近づくに連れて企業が業績修正を発表することもあり、アナリストの利益予想は当該四半期中に3?5%程度下方修正されるのが通例だ。しかしながら、2014年4?6月期は僅かに1.5%の下方修正となっており、アナリストは総じて企業業績に強気であることが伺える。

2014年通年ではS&P500全体で7.6%の利益成長が予想されている。1?3月期が2.1%成長、4?6月が5.1%の想定通りであれば、下半期の利益成長は二桁が見込まれていることになる。4?6月期の決算内容以上に7?9月期や通年に強気の業績見通しが示されるかどうかに注目が集まるだろう。

9日に6月17・18日開催分のFOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公開される予定となっており、量的緩和縮小のペースや利上げのタイミングの見通しに注目が集まるだろう。現在のペースで量的緩和縮小を続けた場合には、12月のFOMCで量的緩和が終了する。量的緩和終了から利上げまでの期間は、イエレンFRB議長が半年程度との認識を示しており、最初の利上げは来年夏頃との見方が一般的だ。しかし6月雇用統計が予想を上回る内容だったこともあり、より早い時期の利上げを予想する見方も出てきている。

《TN》

 提供:フィスコ

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