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【経済】カルビー、人気の「フルグラ」を大幅増産で第2の柱へ


カルビー<2229>は2日、麦や玄米などの穀物加工品とココナッツ、ナッツなどを蜂蜜などのシロップや植物油を混ぜて焼き固めた「グラノーラ」にドライフルーツを加えた主力シリアル食品「フルーツグラノーラ」の2015年3月期の売上高が、前期の95億円から130億~140億円と、約1.5倍に増えるとの見通しを明らかにした。また、好調な販売を受け、今年度中に約30億円を投じて宇都宮市の清原工場の建屋と設備を増設し、生産量を4割増やす方針であることを表明した。
同社は、健康志向や「時短需要」の高まりを背景に、シリアル食品の市場規模はさらに広がると予測しており、朝食ビジネスをスナック菓子に続き「第2の柱」として取り組む考えだ。
日本のシリアル市場は、2013年度に340億円まで拡大した。従来のトップシェア製品である「コーンフレーク」はシリアル全体の約3割まで縮小、代わって「グラノーラ」の人気が急上昇し4割を超え市場を牽引している。カルビーの「フルグラ」は「フルーツグラノーラ」を短縮した商品名で、この分野の代表的な商品。2013年度の「フルグラ」の売上高は95億円と、前年度から51%と高い成長率を示し、容量ベースの市場シェアは33%を占めた。今年度は150億円が目標で、同社の全売上高の1割近くに達する見込みだ。同社は、「フルグラ」朝食のメリットとして、「食パンの約3倍に相当する食物繊維を含む」「1食あたり食塩が0.1g程度しか含まないという低塩分」「毎日食べても飽きない美味しさ」「短い時間で手軽に食べられるため、朝の忙しい時間でも続けることができる」としている。
さらなる販売拡大に向け通販限定商品や派生商品などのシリーズ化が急務と判断し、商品ラインナップを積極的に拡充する計画で、2014年2月に生産ラインを2本から3本に増強し生産能力を5割増しにしたばかりだがさらに工場棟を増設する。
昔ながらのごはんやパン食に加え、パンケーキやフレンチトースト、エッグベネディクト、アサイーボウルなど、近年流行りの朝食のバリエーションが増えてきているが、「フルグラ」がその手軽さ、美味しさ、食べ応え、栄養バランスの良さを武器に、一過性でなくあらゆる年齢層の「朝食」として定着するか注目したい。

《YU》

 提供:フィスコ

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