【経済】中国:シャドーバンキング規模は38兆元以上、銀行は1兆元の潜在的損失
バークレイズ(BC)は最新リポートで、中国の影の銀行(シャドーバンキング)の規模が38兆8000億元(約621兆円)に上り、正規銀行が被る潜在的損失が1兆元前後になるとの見方を示した。BCは、影の銀行の拡大ペースが2013年上期の40%から下期の33%に鈍化したと指摘し、今後も一段と減速すると予測した。
シャドーバンキングに関する金融安定理事会(FSB)の定義では、「通常の銀行システム外の機関及び業務に関係する信用仲介システム」とされている。
統計基準の違いによって統計結果にバラツキがみられている。中国国家外貨管理局が今年5月に発表したデータでは、2013年末時点のシャドーバンキングの規模が国内総生産(GDP)の40%を超えており、銀行システム内だけで5兆1600億元になったという結果が示された。一方、UBSインベストメント・バンクは、GDPの50-70%に相当するとの見方を示した。
上海財経大学の奚君羊教授は、中国ではシャドーバンキングに関する厳密な統計基準が設けられていないと指摘。銀行システム以外の融資活動をすべてシャドーバンキングの対象に入れた場合、規模が38兆元になる可能性があると予測した。
《ZN》
提供:フィスコ