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【特集】週刊ダイヤモンド今週号より~アルストム争奪戦で蚊帳の外 国際競争に後れる日本の重電


「ちょっと日本人には、すぐに理解できないレベルの案件が起きている」??日本の重電業界幹部たちが思わずそう口にするビッグニュースが、世界中を駆け巡りました。米重電大手のゼネラル・エレクトリック(GE)が、フランスの同業アルストムのエネルギー事業買収に向け、交渉中だと報じられたのです。

そのことが知れ渡ると、GEの競合であるドイツのシーメンスはすぐさま対抗策を提案しました。そもそもエネルギー事業では、GEとシーメンスが世界2強で、アルストムも五指に入る実力の持ち主。今回火が付いた業界再編の構図は、対象となる企業も事業も世界トップ級であり、桁違いの争奪戦なのです。

そうした中で、日本の重電メーカーは完全に“蚊帳の外”に置かれていますが、買収が決着した際の影響は極めて大きいものになりそうです。特に余波を受けるとみられるのは、三菱重工業<7011>と日立製作所<6501>が火力発電システム事業を統合してできた三菱日立パワーシステムズ。また、GEと火力発電システムを共同開発し、提携関係にある東芝<6502>にも影響が及ぶ可能性があります。

うち三菱日立パワーシステムズについては、現在1.2兆円の売上高を2020年までに倍増させ、「GEとシーメンスを追い越す」と意気込んでいましたが、アルストムの火力発電システム事業は約1.2兆円。世界ではその規模と同等の事業がのみ込まれつつあるのです。この規模感に付いていけなければ、国際競争で振り落とされることを肝に銘じる必要があると、ダイヤモンド誌では指摘しています。

《NT》

 提供:フィスコ

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