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【市況】<魁> レポート  小幅続伸、トヨタ高に安堵感、週明けの長期線回複なるか

  5月連休明けの週末の日経平均株価は前日比35円81銭(0.25%)高の1万4199円59銭と続伸した。8日のNYダウはイエレンFRB議長の議会証言後の金利低下を買う場面があった後は、利益確定売りに上げ幅を縮小。ハイテク、ソフト関連株の多いナスダック市場は3日続落した。東京市場では、円反発展開のなか、前日決算発表のトヨタ <7203> が売り先行で始動し日経平均も同様スタートとなった。しかし、トヨタは切り返し100円超の上昇に転じ、その後はプラス圏でもみ合う展開となり市場に安堵感が広がった。円が小反発にとどまったことも全般相場を下支えした。

  ただし、4月第2週に長期相場を示唆する52週移動平均線を割り込んだ後はTOPIXとともに5週連続の長期線割れと厳しい局面から脱しきれない相場が続いいる・・。トヨタが前日取引終了後発表の前14年3月期連結営業利益は6年ぶり最高更新。だが、今期予想は0.3%増と市場予想を下回ったとされた。しかし、新興国の通貨安など為替面での影響を大きく見積もるなど保守的なものと市場では好意的な見方が主流となった。「意志を持った踊り場」との社長の表現に期待した買いが勝ったとの指摘もあった。トヨタ株の落ち着きが続伸を演出、全33業種中25業種が上げ石油・石炭、証券・商品先物など8業種が下げるにとどまった!

  出来高トップ銘柄の出来高は5月に入り1億株台割れが続いている。トップ10銘柄の出来高シェアも22.1%と4日連続で20%台前半と低水準から浮上できないでいる。長期線超えは、国内事情では望み薄との指摘があり、欧米市場への期待は大とあなた任せの漂流が続く。しかし、枯れ切った相場は、頭の上に覆いかぶさっている長期線の雲の一点が突破できれば、火は一気に燃え広がる?

  前日後場中に今15年3月期連結経常2期連続最高更新、連続増配を発表したALSOK <2331> がこの日も大幅続伸し07年2月以来7年3ヵ月ぶりに2400円台を回複した。前14年3月期連結経常利益は前の期比40.7%増の207億円と従来予想を超過達成、15年3月期も前期比44.6%増の300億円と大幅拡大見通しで5期連続増収、6期連続増益を見込む。配当については前期に年間配当を25円→30円(前の期は25円)に増額、今期も5円増の35円に増配方針とした。今期は従来のセキュリティーニーズに加え、国土強靭化計画や震災復興及び2020年東京オリンピック・パラリンピック開催に向けた社会インフラ整備の加速によるビジネスチャンス拡大が期待される。そして、注目度が高まりつつある「カジノIR(統合型リゾート)構想」関連銘柄でもある!

  カジノ・IR関連の上昇基調銘柄は、IR候補地関連では鹿島 <1812> 、HIS <9603> があり、ショッピングモール関連でもある三井不 <8801> は年初来のもみ合いから上放れの機会を窺う構え。52週線クリアが待たれる。スロットマシン関連ではグローリー <6457> が昨年6月安値1454円を基点とした25・52週線上の上昇基調を刻み、日金銭 <6418> は三角持ち合いから上放れるかの分岐点にあり、上放れ時に付きたい。警備関連ではALSOKのほか、CSP <9740> が中長期線沿いの上昇基調にあり、セコム <9735> も52週線が下支え。施設の企画・設計・施工関連ではスペース <9622> が52週線沿いの上昇基調を維持している。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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