【経済】ピーチ・アビエーションの欠航は最大2072便に
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格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションは30日、すでに発売している2014年夏期スケジュール(5月19日~10月25日)期間の計画減便を、当初見込んでいた最大2088便から最大2072便とわずかに減少すると発表した。このうち5月19日から6月30日の間に運航を予定していた国内線・国際線の448便の減便は確定している。
機長の採用が予定通り進まなかったことに加え、機長の病欠が想定を超えたことで、機長を十分に確保できないため減便するとしていたが、機長の乗務の融通を図り、運航できる便をある程度確保できたという。52人いる機長のうち8人が病欠の状態は変わっておらず、28日に石垣-那覇便の那覇空港手前で異常飛行した機体の機長は乗務から外されたが、運航中止の見通しに影響はないとした。
欠航が決まった448便は、関空空港と札幌や那覇、ソウル、香港などを結ぶ8路線、また、10月までを含めると10路線に及び、2万7000人を超える乗客が影響を受ける。他の同社便への無償での振り替えか、振り替えができない場合、及び搭乗を希望しない利用者については料金の払い戻しに応じる。
LCC(ローコストキャリア)は、効率化を向上させることによって低い運航費用を実現し、低価格かつ簡素化された航空輸送サービスを提供する格安航空会社である。
日本でも2000年代後半より外資系LCCの国際線参入が相次ぎ、2012年にピーチ・アビエーション・ジェットスター・ジャパン・エアアジア・ジャパンの国内LCC3社が運航を開始し、これまで飛行機を利用したことのなかった新規需要層などを取り込み、順調に利用者を増やして路線を急拡大している。
その一方で、飛行訓練に対するコストを削減するために、すでに乗務資格を取得しているパイロットを中途採用することから、パイロットが確保できないという問題が生じているのだ。
予定通りの運航には機長の増員が急務なため、ピーチ・アビエーションは外国人や自衛隊操縦士経験者らの採用も視野にパイロットの増員を急ぐ考えを示しているが、業界全体でパイロット不足が深刻化しており、獲得競争が激化して賃金が高騰することも考えられるため、思惑通りに人材確保ができるかどうか分からない。
しかし、今後も減便が続くことになれば、経営上の打撃や信用の失墜は避けられず、安全面の確保とともに早期解決が望まれる。
《YU》
提供:フィスコ