【市況】日本株見通し:日銀政策決定会合に注目、セキュリティ関連へのテーマ物色も意識
30日の東京市場は買い優勢の展開になりそうだ。29日の米国市場は、この日発表されたS&Pケース・シラー住宅価格指数、消費者信頼感指数の下振れを受け、FOMC(連邦公開市場委員会)で既定路線以上の量的緩和縮小はないとの見方から終日堅調だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比135円高の14445円となり、これにサヤ寄せする格好から、日経平均は28日の下落部分を吸収することになりそうだ。
指数インパクトの大きいソフトバンク<9984>やファーストリテ<9983>などのほか、米国市場の流れから保険や銀行といった金融関連セクターへの関心も高まりやすい。円高一服で輸出関連なども注目か。もっとも、日銀の金融政策決会合を控えており、現状維持がコンセンサスながら、結果を見極めたいとする様子見ムードも強いだろう。そのため、買い一巡後はこう着感が強まる可能性がある。
展望リポートでは前回の物価見通しを上方修正するとの見方もされている。日銀の政策決定会合ではこれまでもイベント前に動意付き、現状維持、早期緩和否定発言などで売り仕掛けられる状況が続いている。ただし、今回は調整色が強まり、織り込まれていない状況でもあるため、結果を受けてアク抜け的な展開も期待したいところだろう。
物色は決算を手掛かりにした個別対応になりそうだ。ガンホー<3765>についてはコンセンサスを上回る格好であり、見直しが期待される。ソフトバンク<9984>は足元で調整が続いているが、傘下の米スプリントは赤字縮小が好感されて10%超の上昇をみせており、材料視されよう。
そのほか、米国土安全保障省は、ハッカー攻撃にさらされる危険があるとして、米マイクロソフト社の閲覧ソフト「インターネット・エクスプローラー」を使わないよう警告した。セキュリティ関連へのテーマ物色も意識されよう。
《TN》
提供:フィスコ