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【市況】<魁> レポート カジノ関連株は中長期線回復から一段高目指す・・?

  16日の東京株式市場で日経平均株価は前日比420円87銭(3.0%)高の1万4417円68銭と大幅続伸した。14日の米国市場ではウクライナ情勢の緊迫化や4月NY連銀製造業景気指数が予想を大幅に下回ったことから下げに転じる場面があったものの、企業業績への期待を背景に引けにかけ切り返しNYダウは続伸、乱高下はあったものの腰の強さを見せつけた!?そして、中国1-3月期GDPは鈍化したものの市場予想を上回ったことや日銀の金融緩和期待も加わり、円は下げ幅を拡大する展開となり、買い先行でスタートした後も騰勢は止まず、引けにかけ上げ幅を広げていった。

  業種別株価指数は全33業種が揃って上昇したが3月18日以来で今年9度目のことだ。前週は2度全業種が下げるなど悲観人気が支配していたが、この日、日経平均は200日移動平均線の上にあった8日以来の高値水準に戻してきた。前日は1万4100円台に迫った後、失速気味の展開となったが、きょうは海外からの後押しを得て、なお低水準とはいえ出来高も3日ぶりに20億株台を回復。1万4600円台の200日線や1万4500円台にある52週線など長期線に迫ってきた。長期線をプラスかい離し、上値を目指す動きに転じるだけのエネルギーが市場に流入してくるか?明日からの動きが注目される。

  グローリー <6457> が変わらずを挟み8日ぶりに急反発し、前週末に割り込んでいた13週線や26週線を回複してきた。貨幣処理機大手だが、15日夜にはロイターが「大阪府の松井一郎知事はインタビューで、カジノを設置した統合型リゾート(IR)の候補地として、大阪の湾岸部にある人工島『夢洲(ゆめしま)』に絞り込む考えを示した。22日に予定する大阪府・大阪市による『IR立地準備会議』で表明する方針」だと報じており、直近で株価が大きく下げていたこともあり同社株などカジノ関連株に突っ込み狙いの買いが広がったもよう。東京では2020年東京オリンピック開催を控え、カジノやホテル、ビジネスイベントなど統合型リゾート(IR)を導入しようと超党派の議員で構成する議員連盟が動いている。政府は3月下旬に6地域を国家戦略特区に指定。東京五輪を視野に入れた「国際ビジネス圏」をコンセプトとしたIRの最有力候補地として東京の名が上がっているとの報道もあった。シンガポール在の知友は、同地での職をリタイアーした後も、「当面、日本には戻らず。当地ほど過ごし易いところはない」などと居残りを決めたとの便りを送ってきた。

  東京市場でのカジノ関連株といえば先頃からようやく理想買い、思惑買いが始まったばかり。ただ、チェック中の20銘柄強は全般相場の勢いに乗ったこともあり揃って急伸した。中長期線沿いの上昇基調にある銘柄のウォッチング、打診買いや買い増しは良しであろう。
  上記グローリーは、3月には07年12月以来の高値水準に戻しており、52週線をサポートラインとした上昇基調が鮮明化しつつある。貨幣処理機は円安を追い風に海外で膨張し、国内でも伸張。今14年3月期連結経常利益は2期連続2ケタ増かつ4期連続増益の会社予想だ。来期も国内貨幣処理機が流通、遊技、金融等で堅調見通しにあり海外でも販売拡充が後押しすることから連続増益との四季報予想もある。
  カジノ機堅調のコナミ <9766> は前週末に52週線を割ったものの、14日の年初来安値更新寸前から久々に急反発した。貨幣処理機の日金銭 <6418> は4日ぶりに反発、前週末はサポートラインとなってきた52週線を割り込んでしまったが、2週間ぶりに回複できるか?に注目したい。
  会場警備関連ではセコム <9735> が大幅に3日続伸し200日線、52週線を回複。同ALSOK <2331> はもっと強く、3日続伸し短・中期線沿いの上昇基調から、4日に付けた07年6月以来の高値2284円を窺う格好となっている。同CSP <9740> は変わらずを挟み4日ぶりに反発。08年2月高値から急失速も、12年末から200日線に下支えされた長期上昇基調にあり、4月相場も200日線に支えられて反転しはじめた?
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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