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【経済】ファーストリテイリングの株価が急落、競合との比較ではまだ割高感残る


ユニクロを展開するファーストリテイリング<9983>は10日、2014年8月期の連結純利益予想を従来の920億円から880億円に下方修正しました。前期比で増益予想だったのが、一転して2.6%の減益予想に転落した格好です。

ブルームバーグがまとめた市場予想945億円も下回り、株価は11日に大きなマドを空けて下落。一時は前日比8%以上の下げとなり、2013年7月12日以来となる日中の下落率を記録しました。

計画の下方修正の理由としては、地域正社員の拡充による人件費や物流労務費の増加などが挙げられています。野村證券は国内の採算に下振れ懸念が残ると指摘し、同社の目標株価を従来の40000円から38000円に引き下げました。

一方、海外市場は好調で9-2月期の海外売上高は78%増加し、売上高全体の約3分の1を占めるまで成長しています。当面は海外ユニクロがけん引した利益成長が続く見通しですが、アジアでの売れ筋が米国でも通用する訳ではなく、引き続き同社の競争力の源泉である革新的な商品開発がカギになってきそうです。

さて、グローバル企業となったファーストリテイリングにとって、海外競合との比較が重要になります。同社の予想PERは38.1倍(ブルームバーグ)ですが、「ZARA」を展開するスペインのインディテックスは25.5倍、米国のGAPは13.3倍と、割高感は否めない状況。株価は大きく下落しましたが、さらなる下落余地もありそうです。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)

《RS》

 提供:フィスコ

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