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【経済】NYの視点:日銀の追加緩和観測はいったん後退、月末会合に期待


日本銀行は市場の予想通り金融政策を現状で据え置き、マネタリーベースが年間60-70兆円程度積み上がるよう金融調節する方針を維持することを決定した。期待されている追加緩和に関して、黒田日銀総裁は「現時点では必要だとは考えていない」との見方を表明。

また、日本の経常収支も改善した。日本の財務省が発表した2月の経常収支は6127億円の黒字と、昨年9月以来の黒字に改善した。黒字額は昨年4月以来で最大となった。貿易収支(国際収支ベース)も5334億円の赤字と、赤字幅は予想を下回ったほか、1月の2兆3454億円の赤字から改善した。

経常赤字の改善は経済が順調に改善している証拠となったほか、黒田総裁の発言を受けて投資家は速やかな追加緩和観測を後退させた。この結果、短期的な円の買い戻しにつながっている。しかし、日本銀行は同時に、現在の緩やかなペースでの回復が消費増税を受けていくらか変動する可能性があることも認識していると思われる。

日本銀行は30日に予定されている今月2回目の会合で、2014年の経済見通しを発表する予定。この結果次第で、2%のインフレ目標達成のため一段と積極的な緩和観測が再燃することも否定できない。

国際通貨基金(IMF)は消費増税の実施を理由に世界経済成長率見通しレポートの中で14年の日本経済の成長率見通しを1月時点の1.7%から1.4%へ下方修正した。為替ストラティジストは年末のドル・円相場が109円付近との見通しを維持している。

《KO》

 提供:フィスコ

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