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【経済】ロシアが交易の主軸を西から東に転換、中国のみでなくバランス外交重視へ


ウクライナ南部クリミア半島の併合で米欧との関係が悪化する中、ロシアが交易の主軸を欧州からアジアに移す動きを強めつつあります。

ロシアと日本・中国・韓国との貿易総額は2013年に約1500億米ドルに上りましたが、欧州との貿易額はこの3倍。また、2012年末時点のロシア向け直接投資総額は4960億米ドルでしたが、このうち日中韓が占める額は61億米ドルに過ぎません。

さて、ロシアのプーチン大統領が来月、中国を訪問します。

中国は「200年以上、安定的にガスを供給してくれるパートナー」を渇望しており、この役をロシアが買って出ようと意図している可能性があります。

ロシアはシベリアなど極東の資源インフラ投資を中国に期待しているほか、国際社会で中国との連携を深めたいもよう。

ロシアと中国の急接近はエネルギー政策にも影響を与えるため、日本にとっては脅威です。ただ、ロシアは中国とその他のアジア各国とのバランスを重視した外交を進める計画を持っているようで、日本からは技術の輸入を積極化させる可能性があります。

また、ロシアはベトナムを関税同盟に加入させる方向で交渉を進めていますし、インドとも経済協定を深めるよう秋波を送り続けています。

主要7カ国(G7)メンバーである日本は米欧と歩調を合わせて制裁措置を発動しましたが、本音はロシアとの関係を崩したくないはずです。

ウクライナ危機を受けたロシアの方針転換がアジア太平洋でのエネルギーの流れや政治的パワーバランスを変える可能性が高まっています。

(フィスコ・リサーチ・レポーター)

《RS》

 提供:フィスコ

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