【経済】中国:短期金利が大幅上昇、4-6月期の「流動性危機」再来に警戒感
中国では四半期末の接近などにより、銀行の流動性ひっ迫懸念が再び強まりつつある。27日には、短期金利の指標となる7日物レポ金利が前日比97ベーシスポイント高の4.83%となり、2月13日以来の高水準を記録。11営業日連続での上昇となった。中国人民銀行(中央銀行)がこの日、市場の予想を上回る規模での資金吸収オペを行ったことが背景にある。
また、4-6月期は季節的に資金面での圧力が強まりやすいといい、昨年6月に短期金利が急騰した「流動性危機」の再来を警戒する声も聞かれる。景気の減速や人民元相場の変動幅拡大などを受けた資金流出が、金融市場の流動性に直接的な影響を与えると指摘されている。
ただ、景気減速と金利上昇の中で、中国人民銀行(中央銀行)が4-6月期もやや引き締めよりの政策スタンスを維持することは難しいとの見方もある。中国銀行は最新リポートで、人民銀が金融システムの安定を維持するために、公開市場操作(オペ)や短期流動性オペ(SLO)を通じて流動性の調整を行うと分析。年内に預金準備率が引き下げられる確率は高いとみている。
《NT》
提供:フィスコ