市場ニュース

戻る
 

【経済】王将が組合要求の4倍でベア妥結


2014春闘で大手企業の集中回答日となった12日、一際高いベースアップ(ベア)の合意を発表した企業がある。
中華料理チェーン「餃子の王将」を展開する王将フードサービス<9936>だ。
王将フードサービスは、一律1万円のベースアップ(ベア)をすることで労働組合と合意したと発表した。ベアの実施は1995年の株式上場以来初めて。
組合の要求額2500円に対し、回答したベアは4倍となる。4月の消費税率引き上げで経営環境が一段と厳しさを増すことが予想されるものの、今後の業容拡大に向け、待遇改善による社員のモチベーションアップや新卒者採用などで優秀な人材を確保することなどを勘案した結果、要求を大幅に上回るベアの実施に踏み切ることにしたという。
対象社員は約2200人で、定期昇給分と合わせて1人あたりの月収が平均1万7008円増える計算になる。今回の賃上げによって人件費は年間で3億5000万円程度増える見込みだ。
昨年12月に大東隆行前社長が殺害されてから、追悼の気持ちで来店した客の増加などから王将フードサービスの既存店売上高は前年を上回っているが、外食産業の厳しい競争の中で業績を伸ばし続けることは容易ではないだろう。
しかし、今回のベア実施がいい結果に結びつけば、来年以降、後に続く企業も出てくるかもしれない。

《YU》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均