【市況】【杉村富生の短期相場観測】
「3~4月相場は明るい展開に!!」
●徐々に反騰態勢を固める!
株式市場は底入れ→反騰態勢を固めつつある。3~4月相場は明るい展開となろう。
実際、(1)カラ売り比率の30%超の連続、(2)野村証券の日本株売り込みキャラバン隊の派遣、(3)週間ベースでの外国人の大量売り越し――など株価底打ちを示唆するデータが相次いでいる。
恐らく、2月5日のザラバ安値(1万3995円)が当面のボトムになったと思う。
カラ売り比率は売買代金に占めるカラ売り金額(貸し株を含む)のウェイトである。2月25日現在、23日営業日連続の30%超となっている。2月20日は34.6%、21日は32.7%、24日は33.8%だった。ちなみに、これまでの連続記録は4日であり、23日というのは“異常”を通り越している。
●底入れのシグナルが相次ぐ!
いずれにせよ、カラ売りは買いの予約である。いずれ、買い戻しを余儀なくされるだろう。
野村証券は2月中旬、約30人のアナリストが3週間かけて欧米、アジアの主要都市を回り、日本株の売り込みを図った。いわゆる、キャラバン隊である。
昨年は1月に、11人のアナリストを軸とするキャラバン隊を派遣している。その前は2008年6月、2006年6月、2005年9月である。その後、株価は上昇に転じている。
外国人は年初~2月第1週に、現物を1兆1284億円、先物を1兆5486億円売り越した。特に、1月第4週は7402億円売り越している。週間ベースでの大量売り越しは相場の底入れにつながる。今回もいまのところそうなっているではないか。
●売り方のネガティブ・キャンペーンは終了?
今後、欧米のロングタームマネーが流入してくるだろう。
すでに、先物は2月2週以降、買い越しに転じている。ヘッジファンドの日経225の先物売り、円買いポジションは巻き戻しのタイミングにある。
マーケットが危惧していたアメリカ景気の減速、新興国の通貨不安、中国リスクなどは峠を越えた。いや、そもそも懸念は過剰反応だったのではないか。
売り方の外資系証券では中国のGDP成長率は2%台まで落ち、世界景気(成長率)を1.5ポイント押し下げる可能性がある、中国の理財商品(残高390兆円)がディフォルト(償還不能)に追い込まれる――などと、ネガティブキャンペーンを行っていた。これはあくまでも売り方の主張である。
しかし、S&P500指数は史上最高値圏にある。CRB商品先物指数はジリ高となっている。世界景気の失速となれば経験則的に商品市況が真っ先に反応するだろう。
●強い銘柄にマトを絞る作戦が有効!
だが、現実にはそうなっていない。欧米市場、新興国の株式市場ともに堅調である。恐怖指数といわれるVIX指数は“無風”のまま。これは何を意味するのか。
まあ、こんなところで弱気になる必要はない。中国の理財商品(実際は信託銀行が関与している信託商品)のうち、地方政府の融資平台が絡んでいるのは集合信託の2.4兆元、怪し気な企業向けは0.5兆元にすぎない。たかだか7兆~8兆円である。390兆円とは金額のケタが違う。
ともあれ、ここは定石通り、FDK <6955> [東証2]、クルーズ <2138> [JQ]、システナ <2317> 、ジオマテック <6907> [JQ]、森尾電 <6647> [東証2]、キーウェア <3799> [東証2]など強い銘柄にマトを絞る作戦が有効と判断する。
東証1部では星光PMC <4963> 、パナソニック <6752> 、アイホン <6718> に妙味があろう。
2014年2月26日 記
(「チャートブック日足集」No.1509より転載)
(「株探」編集部)