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【市況】【北浜流一郎の乱にチャンスあり!】


「春に備えて反落銘柄の買い準備」

●東京市場低調の背景に米国寒波

 今年の日本列島は2度の大雪。一度目は雪がふわふわとして軽く、我が家ではさほど影響はなかったが、2度目は湿り気があって重く、まだ庭に小さな山になって残っている。

 いまではさすがにそれは気にならなくなったが、降雪中はもちろん、数日は外出して近所のスーパーやコンビニで買い物する気にもなれず、お蔭で冷蔵庫はすっきりした。ただ、近所のスーパーやコンビニはこんなお客が増えて、売上はいつもより減ってしまったのではないだろうか。 

 こんなことを書いていると、雪と株は関係ないだろう。こう言われてしまいそうだが、実はそうではない。

 年初来、東京市場は厳しい展開となっている。2月も半ばを過ぎ、間もなく終わるというのに、日経平均は1万5000円台の回復ができないまま。それどころか下手をすると1万4000円前後まで戻ってしまうのではないか。こんな心配さえあるほどだ。

 なぜ、こんなことに? 原因は複合的なものではあるのだが、無視できないのが米国の寒波だ。それは我が家のある関東地方などとは比較にならないほど厳しく、経済が正常に機能していないのが実際だ。米国の主要都市、NYやシカゴは非常に寒い地域にあるのだ。日本ならどれくらいの位置か。NYは実は青森の緯度とほぼ同じなのだ。そして、シカゴは函館あたりとなる。

 青森や函館が、この時期、どんなに寒いか説明の必要はないだろう。私の知人が先日函館に行ってきたのだが、横浜に帰って来るなり「寒さのレベルが違う。耐え切れない寒さだった」と言っていた。米国では大都市がそんな寒い地域にあるため、寒波による経済への影響は大きい。

 それは各種の経済指標にストレートに現れていて、最近の指標はどれも市場予想に届かないものがほとんどだ。その結果、ドルが上がらない。

 これが東京市場に大きく影響しているといえる。現在の東京市場を左右するのは対ドルでの円。これが下げてくれないことには日経平均はまず上がらない。

 そのため、われわれはドルがなかなか上がらないことを嘆く日々となっているのが実際だ。ところが、その背景には寒波による経済の停滞がある。これが軽視されていると言ってよいだろう。

●米国経済の復調を待つ

 寒波について、わわわれは一時的なものと受け止めている。特に関東に住んでいるとそうなりがちだが、米国の主要都市であるNYやシカゴが関東などとは比較にならないほど寒く、しかもそれは連日なのだから、経済との関わりは無視できない。

 この点への着眼が残念ながら忘れられて、中国経済の減速などが東京市場下落の真因などという説明がまかり通っているのは、少々驚きだ。

 中国の「陰の銀行(シャドーバンク)」問題にしても同様だ。もちろん、無視できないことではあるのだが、それらよりも実際は米国主要都市を襲っている猛烈な寒波。これに目を向けたいところだ。

 では、寒波は今後どうなるのか。一気に春。こうなってくれることが望ましいものの、もちろんそうはななない。次第に気温が上がってきて、経済活動も活発化してくる。基本的には、いまはそれを待つ。こうなるし、そうせざるを得ない。経済活動が活発にならなければ、米国の経済指標が上向かず、ドルも上がらないからだ。

 ドルが上がらない限り円は下がらない。これが定番コースである以上、いまは米国の春到来に備えて、反落した銘柄の買い準備をする。これがお勧めの策になる。

 狙いどころとしては、NISA利用者の中で人気首位の武田 <4502> 、電子基板向け特殊薬品首位のメック <4971> 、プリンタに強いブラザー <6448> 、製紙業界2位ながら洋紙では首位の日本紙 <3863> 、ダイヤモンド工具首位の旭ダイヤ <6140> 、そして航空電子 <6807> も魅力的だ。

2014年2月21日 記

「チャートブック日足集」No.1508より転載


(「株探」編集部)

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