【経済】メキシコは中南米の“安全パイ”、比較的健全なマクロや改革法案で格上げ
米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは5日、メキシコの信用格付けを「A3」に1段階引き上げた。これはジャンク級を4段階上回る水準で、マルタやマレーシアと同格。
ペニャニエト大統領が昨年署名した経済改革法案が成長を押し上げるとの見通しが格上げの背景にある。この改革案では国営企業による石油開発の独占を終わらせることや通信業界の競争促進につながる10項目以上の憲法改正を承認している。
外国為替市場ではメキシコ通貨ペソが今年に入って弱含んでいたが、対米ドルで1米ドル=13.60ペソ近辺では下げ渋り。米連邦準備理事会(FRB)による量的金融緩和の縮小継続や中国の成長ペース鈍化などで中南米の金融市場では投資家の売り圧力が強まっているが、メキシコはこの中でも比較的“安全パイ”と呼べそうだ。
メキシコの外貨準備高は1月31日時点で1771億7900万米ドル、輸入総額は昨年12月で304億4100万米ドル。外貨準備で5.8カ月分の輸入代金を賄える計算となり、危険ラインとなる3カ月を十分上回っている。また、隣国である米国では景気改善期待が強く、メキシコにも恩恵が及ぶとの見方が投資家の強気姿勢を誘う可能性も残されている。
《RS》
提供:フィスコ

米株









