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【経済】週刊ダイヤモンド今週号より~3期連続営業赤字に転落 任天堂、負の連鎖の底なし沼


任天堂<7974>が負の連鎖に陥っています。2014年3月期の決算予想を大幅に下方修正、期初に岩田社長が「コミットメント」してきた連結営業利益1000億円を達成できず、3期連続での赤字となる350億円の赤字に下方修正しました。

特に不振が目立つのが据え置き型ゲーム機の「WiiU」で、販売台数予想を当初の900万台から280万台に引き下げています。新しいハードを安価な価格で投入し、そのゲーム機向けソフトで稼ぐという勝利の方程式が崩れた格好です。米国でヒットしているソフトには大人向けのものが多いですが、「ファミリーでも楽しめる安心感」というブランドイメージを守るため、コアゲーマー向け自社ソフトが出せず、ソフトメーカーに頼らざるを得ない状況です。しかし、ソフトメーカーは、「Wii Uはコントローラーなどの手間が余計にかかる」ため、ハードの売上が見込めなければ開発に二の足を踏んでしまっています。

得意としてきたライトユーザーも、スマホ向けゲームに市場を奪われつつあり、ソフトメーカーでも、PS4向けの開発費が高騰する中、スマホ向けゲームにも力を入れています。任天堂のハードがこれ以上普及しなければ、ソフト開発の優先順位は当然下がってしまうでしょう。

任天堂は1月30日の経営方針説明会で今後の展望を明らかにする予定ですが、業界関係者からは「ポケモンのスマホゲームを出すなどの思い切った施策を出さなければ、任天堂の限界説に歯止めが掛からないのではないか」との声すらでています。

《NT》

 提供:フィスコ

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