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【特集】ダイコク電機 Research Memo(10):アミューズメント化を実現させ売上規模で上位を目指す


■中長期成長戦略

ダイコク電機<6430>の今後3-10年間と、それ以降を見据えた中長期の成長戦略は以下の通り。

(1)今後3-10年程度の成長戦略

今後3-10年程度の成長戦略の根幹は、「企業としての成長を確実に達成する。その方法として、射幸心を満たすだけと見られがちなパチンコ・パチスロを映画や遊園地などのアミューズメントに変える」としている。業界のライバルは、手掛ける商品やサービスの領域が異なるため単純に比較はできないが、同戦略により、業界内での売上規模で上位に入ることを目指す。

そのために、「既存事業のシェア拡大」「すそ野を広げる新規事業の育成」「大ヒット商品の企画製造」の3点を柱として打ち出している。既存事業のシェア拡大で事業基盤をさらに盤石にし、パチンコ・パチスロのアミューズメント化という切り口で新規事業とヒット商品を投入し、成長を加速させる。

「既存事業のシェア拡大」に関しては、まず情報システム事業において、中核製品である「ホールの経営支援サービス」を強化する。具体的には、今後数年かけて、ホールコンピュータと、そこから取得したデータの分析サービス「C2」の機能を刷新する。今回の改良により、他社がほぼ追随できない次世代システムになろう。実現に当たっては、2014年3月期以降、総額で数十億円の開発費用を投じる。また、得意とする情報分析力を活かし、ハード系に強いライバルメーカーとの提携も検討する。次世代システムの投入により、ホールコンピュータの市場シェアを現在の40%から50%に伸ばす。制御システム事業では、既存のクライアントを大切にしながら、表示基板などパチンコ機用の制御システムの契約を拡大していく。これにより、毎年度の予算計画に比べて営業利益が1,000?2,000百万円上振れするような拡大を目指す。

「すそ野を広げる新規事業の育成」で主力となるのはパチスロ遊技機であり、2014年3月期以降、機種の拡大を図る。第1弾の「まじかるすいーとプリズム・ナナ」は、独自の世界観を持つオリジナルキャラクターを採用する戦略を取りヒット商品となったが、今後の新機種に関しては、ストーリー性を重視した内容にしていく方針。出玉の数だけで楽しむのではなく、パチスロ遊技機そのものにストーリー性のあるコンテンツを組み込み、エンターテイメント性を持たせることによって、同社が目指す「アミューズメント化」を実現させていく。パチスロ遊技機に関しては、2013年3月期に事実上ゼロだったシェアを早期に黒字化の目安となる3%に引き上げ、さらに将来5?10%を目指す。そのための開発投資も積極的に行っていく。

これらの施策の結果、10年後に連結売上高100,000百万円、経常利益10,000百万円の達成をひとつの目安としている。

(執筆:客員アナリスト 柄澤 邦光)

《FA》

 提供:フィスコ

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