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【特集】ダイコク電機 Research Memo(8):ホームコンピュータはコンサルサービスを付加して販売


■事業内容

ダイコク電機<6430>は今まで業界になかったような製品を企画・開発することによって、ホールに対しては収益力を、パチンコファンに対しては新しい楽しみ方を、パチンコメーカーに対してはヒット商品の開発チャンスを提供している。また、パチンコ・パチスロ業界を映画や遊園地といった、遊ぶことそのものを楽しむアミューズメント業界に変えることを目指す企業である。将来的にはビッグデータを収集・分析するビジネスを立ち上げる計画を進めている。

パチンコ・パチスロホール向けのコンピュータシステムの製造・販売を行う(1)情報システム事業、パチンコメーカー向けの電子部品の製造・販売を行う(2)制御システム事業が収益の源泉である。事業規模を比べると、連結ベースの人員面では、情報システム事業5:制御システム事業4の割合になっている。ただ、情報システム事業は比較的安定して売上高と営業利益を伸ばしているのに対し、制御システム事業は変動が激しい傾向があり、売上高の面から単純に比率で表わすことは難しい。しかし、今後しばらくは情報システム事業が同社の収益の柱となる可能性が高い。

各事業の主要な製品、サービスは以下の通りである。

(1)情報システム事業

ホールの経営管理や営業を支援する製品群やサービスがラインアップされており、利益率が高いことに特徴がある。具体的には、ホールの経営管理支援を行う「ホールコンピュータ」、ホールコンピュータを通じて得たデータの分析などを行うコンサルティング「ホールの経営支援サービス」、戦略情報システムである会員制情報提供サービス「DK-SIS」、来店客に台の情報などを提供する「情報公開システム」、CRユニットや玉計数機、景品管理POSといった「景品顧客システム」などがある。なお、ホールコンピュータに関しては単体の販売よりも、コンサルティングサービスを付加した形で販売するケースが多い。

○ホールコンピュータ
ホールの経営管理を支援する中核システムである。パソコン上でホールのパチンコ・パチスロ台の稼働状況を表示するほか、夜間に台に不正な操作が行われたときには、それをチェックして翌日、管理者に知らせるといった機能を持つ。

経営管理機能とは、たとえば、「誤差玉」のチェック機能が挙げられる。閉店後に景品交換に使われた玉と実際に出た玉の数が合わないことを「誤差玉」という。通常は床などに玉が落ちるといったことが原因で出玉より景品交換に使われた玉のほうが少ないのが普通である。しかし、これが逆だった場合、台が故障しているか、来店客の誰かが外から玉を持ち込んで景品と交換した可能性が生じる。放っておくとホールにとっては死活問題になる。ホールコンピュータは、誤差玉の発生をチェックして知らせるほか、原因となった台の特定も可能だ。

○ホールの経営支援サービス「パートナーズセンター」
「MIRAIGATE」の名称でホール向けに提供している同社独自の経営支援サービスである。ホールの営業戦略、集客戦略、運用管理を支援する。ホールコンピュータなどのシステムのほか、システムから集計したデータの分析サービスや活用方法を支援する「C2デスク」、様々な問題にオペレーターが専用IP電話で直接対応する「メンテナンスデスク」など、システムとスタッフが総合的にホールの経営を支援する。

○会員制情報提供サービス「DK-SIS」
ホールの日々の営業データを受け取り、それを分析・加工したうえでフィードバックし、店舗経営を支援する、業界唯一の会員制情報提供サービスである。会員店舗数3,591店舗、パチンコ・パチスロ台数約120万台、設置シェア26.3%、取り扱いデータの規模は年間9兆4,000億円(2013年3月期)にまで成長。経営支援、ファン層への情報公開などの基盤として業界内外に対するシンクタンクとして機能しており、事実上の業界デファクトスタンダードになっている。

○情報公開システム
パチンコホールの営業を支援する機器やサービスである。来店客に店内情報などを提供することによってより楽しくパチンコ・パチスロを楽しんでもらう。1991年に同社が業界で初めて販売を始めた。データロボ「VR-77」、呼び出しランプ「BiGMO」「IL-X」、NTTドコモ<9437>等のデータサイト「データロボサイトセブン」などの商品がある。

データロボ「VR-77」は、平均よりも玉が多く出ている台などの情報を来店客に提供する機器の新製品である。来店客は、会員になることによって、機器の操作が簡単になるうえ、自分が必要な情報をすぐに取り出せる。「おサイフケータイ」に直近180日間の来店記録を蓄積できる「ぷれぱち」という機能なども付いている。

呼び出しランプ「BiGMO」「IL-X」は、もともとトラブルや大当たりなどで店員を呼び出すための機器。ただ呼び出すだけでなく、現在では持玉の数や、大当たりの回数、最近の出玉の傾向なども分かりやすく表示する。
「データロボサイトセブン」は、スマートフォン、モバイル、PCを通じて来店客に情報を提供する、業界初のデータサイトである。

○CRユニット
CRユニット「VEGASIA」は、プリペイド式台間貸玉機の新製品である。台と台の間に取り付け、来店客はプリペイドカードを購入して貸玉機から玉を出す。新製品は、カードの盗難防止など高いセキュリティ機能を搭載している。プリペイドカード情報はカラー液晶画面で表示。業界で初めてとなる顔認証機能をオプション搭載。来店客一人ひとりの店内での動きをデータ化することで、ホール側の顧客管理に活かすことができる。

(執筆:客員アナリスト 柄澤 邦光)

《FA》

 提供:フィスコ

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