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【特集】ダイコク電機 Research Memo(3):パチスロ遊技機「プリズム・ナナ」でニッチ市場を開拓


■2014年3月期第2四半期のトピックス

(2)パチスロ遊技機のヒット

次に「すそ野を広げる新規事業の育成」と「大ヒット商品の企画製造」に関しては、2013年4月に発売したパチスロ遊技機「まじかるすいーとプリズム・ナナ」のヒットが挙げられる。2013年10月末時点で、累計約4,000台を販売。これは、ダイコク電機<6430>がその前に発売した遊技機の約2.5倍の台数となる。

また、ホールに設置されてから平均10週連続でホールの粗利確保に貢献、これをもとにした業界全体への貢献順位は2013年1月から販売された63機種中11位という高い貢献度を達成した。

同社がパチスロ遊技機で目指す数値目標は1機種当たりの販売台数で年間1万台、このような機種を年間3機種程度は常に揃えるようにする。実現すれば、これら3機種で売上高100億円、営業利益数10億円が見込める。

この目標からすると、累計販売台数も機種もまだまだ不足している。しかし、今回の「プリズム・ナナ」のヒットで、同社は今後のパチスロ遊技機事業における成功パターンを習得できた。アニメとパチスロとの融合によって、アニメ好きのパチスロファンの心を掴むことができるというパターンである。

「プリズム・ナナ」は、射向性の高さで選別されがちなパチンコ、パチスロ遊技機とは一線を画している。人気イラストレーターであるカントク氏が原案のオリジナルキャラクターを採用、アニメーションは「魔法少女まどか☆マギカ」「化物語」などの制作で知られるシャフトが担当、声も人気のアイドル声優が担当するなど、今までのパチスロ遊技機では考えられないくらいに、質にこだわったことが一番の特徴となっている。

このような機種がヒットしたことによって、パチスロ遊技機では明らかに後発の同社が活躍できる新たなニッチ市場が誕生したといえる。

ちなみに、同社は、目標の「1機種1万台を年間3機種」を3-4年以内に実現したいとしている。

(執筆:客員アナリスト 柄澤 邦光)

《FA》

 提供:フィスコ

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