市場ニュース

戻る
 

【経済】NYの視点:日銀の追加緩和の遅れはアベノミクス崩壊へ


2014年に欧州中央銀行(ECB)がいずれ米連邦準備制度理事会(FRB)スタイルの量的緩和(QE)を導入するほか、日本銀行が早くて4月にも追加資産購入策を導入するというのが大半の見方だ。アベノミクスはいまのところ賃金の引き上げが達成できていないことに加えて、4月には消費税率の引き上げが控えている。現在の資産購入の効果は限られるとの見方が強まっている。

日本銀行は長期国債買い入れの目標額が上限に接近し、春の消費増税実施を前に景気刺激策としての追加緩和を行う必要性が出てくるとの見方も浮上していると報じられている。日本銀行の昨年12月の債券購入規模は6.8兆円。昨年4月に質的・量的緩和を導入して以降で最低となった。長期国債の保有残高で年間の平均目標である50兆円超えを回避するため資産購入ペースが鈍化していくとの見方もあるようだ。黒田日本銀行総裁がフォワードガイダンスで「ペースの鈍化は緩和策を和らげるものではなく、必要とあれば保有限度を引き上げることもできる」と言及する可能性を指摘するエコノミストもいる。

同時に、追加緩和が先送りされるとの見方も増えているようだ。ブルームバーグ社が36人のエコノミスト対象に1月10-15日に実施した調査によると、日本銀行が4-6月の間に追加緩和に踏み切るとの見方は回答者全体の33%に過ぎなかったという。3カ月前の調査では56%だった。日本銀行が注視しているインフレ指標は2%目標の半分以上の水準にまで達した。このため、追加緩和を導入するかどうかを決定する前に、日銀が賃金動向や消費税率引き上げが及ぼす影響を評価することを選択する可能性が指摘されている。生鮮食料品を除いた消費者物価は11月に前年比で前年同月比1.2%上昇した。08年10月以来5年1カ月ぶりの大きさだった。2013年10-12月期のインフレは1.1%が予想されている。

しかし、追加QEの遅れはアベノミクスを崩壊させかねない。海外投資家は追加緩和を見込んで売っていた円を買い戻し、円は急伸。日経平均は急落することになる。海外の投資家は日本銀行の追加緩和を催促している。

《KO》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均