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【注目】必見!新春お年玉企画(2) 木村佳子が推す午年「勝負株!」


「景気刺激策を支えに、日経平均1万7565円も」

text.木村佳子:株式評論家(生活経済情報研究所㈱ビューズ代表、東証アカデミー フェロー)


●米金融政策の影響を見極め

 日経平均株価は年末1万6000円台に乗せた。この数字は2012年安値8295.63円のほぼ2倍だ。

 年初から為替に牽引され、かつ、自民党一強下での安倍首相の政策公約アベノミクスへの強い期待によって株高が続き、年半ばから後半にかけては2020年東京オリンピック、2027年リニア中央新幹線開通など「夢」の部分も加味された。

 目下、その相乗効果に期待して国内外投資家の旺盛な取引が続いているといえる。

 2014年は増税とアメリカ金融政策の平常化(特に金利引き上げ)がどの程度、株価に響くか警戒しながらの一年となるだろう。

 政府も1月からの証券増税に対してNISA口座の「飴」、4月からの消費増税に対しては大企業の交際接待費を飲食に限り、半額を経費扱いするなどの消費喚起策で景気失速を回避する構えだ。

 雇用促進や所得増加機会が増せば、増税の影響は軽減されるかもしれない。政府は2014年4-6月期のGDPをメドに2015年消費税率10%を実現させたい。したがって、今後も景気刺激策は継続されるとみていい。

 自民党のカジノ法案がその一例で、さらに大きな設備投資を伴う制度変更(郵便費用、公共運賃の値上げ認可、新札発行やデノミ等)が考えられる。

 その影響で年前半は株価もなお伸びが見込めそうだ。3月中頃にも日経平均株価は1万7565.47円前後が期待できるのではないか。円安も継続すると見ている。為替見通しはドル円で116.656(安値見通しは98円)、ユーロ円で149.875(安値見通しは127.758)と想定している。

●消費増税の4月、10~11月に用心

 懸念材料は1月24日から6月22日まで開催される通常国会だ。ここで安倍首相が憲法改正に爪を伸ばせば、特定秘密保護法で見たように内閣支持率の低下を招く可能性がある。内閣支持率と日経平均株価の連動性は高いため、国会後半は用心したい。

 存在感の大きい外国人投資家が2013年5月に見せた動きを4月早々に前倒しの恰好で見せるかもしれない。消費増税開始月でもある4月は用心したい。

 日中韓の防空識別圏をめぐる緊張、活発な動きを見せる小笠原新島、鹿児島桜島、年々大規模化の自然災害への備えも必要だ。10~11月頃、いずれかの理由で安値1万3938.39円あたりがあるかもしれない。

 日本に影響力のある米国では2016年11月に新大統領が選出される。水面下で次期大統領選挙戦が始まっており、現職オバマ大統領はすでにレイムダック化ともいわれる。就任以来4年、ドル安&金融緩和でリーマンショックの後処理と景気回復策を講じ、その成果は史上最高値更新中のNY株式市場にあらわれているが、もう、「その次」が始まっているのだ。

 右傾化といわれる安倍政策も「その次」の露払い役を担っているかもしれない。日本の新富国政策にもたらされる株高も含めた経済的発展による「富」は、米の「その次」の時代に担わされる役目の「飴」と考えて心して味わうべきだろう。

◆木村さんのお薦め「2014年ポートフォリオ10銘柄」

コムシスHD <1721>
東洋水 <2875>
夢真HD <2362> [JQ]
丸一管 <5463>
信号 <6741>
ロランドDG <6789>
古野電 <6814>
三菱重 <7011>
ジャムコ <7408> [東証2]
任天堂 <7974>
重松製 <7980> [JQ]
JAFCO <8595>
イー・ギャラ <8771>

【2013年12月26日 記】
(「株探」編集部)

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