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【市況】国内株式市場見通し:師走相場に突入、米クリスマス商戦や雇用統計で年末高を意識か


■日経平均は6年ぶりの高値水準に

先週(11/25-29)の日経平均は上昇。11月28日には先物主導ではあるが裁定買いを巻き込みながらの上昇となり、5月22日に付けた終値ベースでの高値(15627.26円)を更新。2007年12月12日以来、約6年ぶりの高値となった。先週は指数インパクトの大きいソフトバンク<9984>やファーストリテイリング<9983>、ファナック<6954>、京セラ<6971>、KDDI<9433>などが日経平均をけん引する格好で大幅に続伸して始まった。

その後はソフトバンクなどが利益確定に一服となるなか、為替市場ではドル・円が1ドル102円台、ユーロ・円が1ユーロ139円と円安基調が強まるなか、ハイテクや自動車など輸出関連への物色につながった。米国市場が感謝祭を控えていたことで売買代金は2兆円を下回る状況や、週末には利益確定が強まる局面もみられたが、先高感の強い相場展開だった。

■師走相場に突入、米クリスマス商戦と雇用統計

今週(12/2-6)はいよいよ師走相場に突入する。市場の関心は日経平均では5月23日のザラバ高値(15942.60円)と節目の16000円乗せとなる。また、米国の動向が注目されることになる。米国では米感謝祭翌日の11月29日は小売企業が黒字になる日という意味合いから「ブラックフライデー」と呼ばれ、最大規模のセールが行われた。

なお、米ウォルマートは29日、ブラックフライデーセールで記録を更新したことを発表。年末商戦の開始となった28日午後6時から午後10時までの4時間で、レジ決済処理が1000万以上を記録したという。また、12月4日には地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。5日には7-9月の米GDP(改定値)の発表、さらに6日には11月の米雇用統計(予想は非農業部門雇用者数が+18.3万人、失業率が7.2%)が発表される。クリスマス商戦が強い内容になり、雇用統計が予想を上回る結果ともなれば、米株高・円安の流れが強まろう。また、雇用統計の結果等を受けて翌週の17-18日に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)での量的緩和縮小への思惑が強まるとみられ、これが円安を加速させてくる可能性もありそうだ。これらを追い風に、年末高を意識したトレンド形成が期待されてきそうである。

■小売やハイテク、カジノ法案への思惑

また、先週は先物に振らされる相場展開ながらも、週後半にむけては個人主体による中小型株物色が活発だった。売り込まれていた銘柄などの見直しも散見されており、証券税制変更前の利益確定売りなども一巡してきた感はある。イレギュラー的に売り込まれていた銘柄などには、年末に向けた水準訂正を意識した思惑なども高まりやすいだろう。

物色としては、米ウォルマーが今回発表した売れ筋商品では、大型テレビやiPad mini、ノートPC、Xbox One、プレステ4などが人気だったという。小売や電子部品などハイテク企業への物色に向かわせよう。

さらに、今国会の会期は12月6日までであり、成長戦略などを手掛かりにした物色も再燃すると考えられる。先週、民主党の前原氏は自らも含めた超党派の議員がまとめたカジノ解禁に向けた法案について、民主党の結論が出る前でも自民、日本維新の会所属議員などがまとめた今国会に提出することを容認する考えを示した。タイミング的には今週辺りにも、カジノ法案の今国会提出に関心が集まりそうだ。

《FA》

 提供:フィスコ

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