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【経済】【中国の視点】東南アジア高速鉄道の入札、日本は手強すぎる


東南アジアの高速鉄道建設をめぐる各国の受注合戦が広がっている。中国や日本、韓国、フランスなどが相次いで「高速鉄道セールス」を展開。中国の李克強首相が自ら売り込みに参加しているほか、日本はタイやベトナムなどへの投資を急速に拡大させている。

中国の専門家は、現時点では、日本は最大の強敵だとみている。長い日本の新幹線の歴史と高い安全性とは対照的に、中国の高速鉄道の歴史が短い上、事故が発生したというマイナスな面もあった。また、東南アジアへの投資について、日本によるタイへの投資額が中国の20倍以上になっているため、タイの指導者もそれに配慮する可能性が高いといわれている。さらに、南シナ海の領有権問題をめぐり、中国と東南アジア諸国の関係がやや微妙になっているため、現時点では一部が親日になっている可能性も否定できない。

とはいえ、中国も強みがある。東南アジアという発展途上国では、中国のような低コストで鉄道を整備することが貴重だと指摘された。また、中国と東南アジアの貿易量が過去10年で5倍に拡大し、同地区の最大貿易相手国に浮上。さらに、高速鉄道に関する中国のスタートが遅いものの、5年で1万キロの高速鉄道を整備したという奇跡を作った。中国の高速鉄道技術は各国の経験を吸収しており、さまざまな東南アジアの地形や気候に対応できるという優位性も評価されている。

なお、タイの高速鉄道の入札は来年後半から始まる予定。タイのほか、シンガポールとマレーシアは80億-100億シンガポール・ドル(約6400億-8000億円)を投入し、両国の首都を結ぶ高速鉄道を建設する計画を示していた。

《ZN》

 提供:フィスコ

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