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【経済】【中国の視点】地方政府債務残高は約310兆円、利払いだけで年16兆円に


地方政府が抱えている債務残高に関する調査が終盤に突入し、年内にも発表されるといわれている。ゴールドマン・サックス証券など海外機関投資家はそれぞれの予想を出しているが、厳密な調査をもとに出した結果ではないので、信憑性が低いと指摘されている。

一方、中国の理科系トップ清華大学はこのほど、同大学が収集したデータをもとに2012年末時点の地方政府債務残高が約19兆4100億元(約310兆円)に拡大し、金利だけで年約16兆円を償還する必要があるとの見方を示した。

地方政府債務残高について、清華大学は銀行融資や地方政府債、融資プラットホーム(資金を調達するために設立された会社)、地方政府信託融資、地方政府BT(建設・譲渡)融資の5部分で構成されると指摘。BT融資以外はデータを取れており、BT融資の残高は約5兆2600億元だったと予測されている。

一方、地方政府の歳入は年最大で76兆元に上り、この数字で計算すると地方政府の負債比率は25.4%となる。ただ、公有地や鉱産、地方政府の建物など固定資産を現金化することに時間がかかるというリスクがあり、これら現金化しにくい資産を除いた場合、地方政府の負債比率は80%まで上昇すると分析された。

同大学は、80%という数字について、償還ピーク時には流動性不足が発生しやすいというリスクがあるほか、償還期限に間に合わない危険性も存在していると指摘した。また、短期的には地方政府がデフォルトに陥る可能性は低いものの、支出削減や会計の透明化、外国の解決法を取り入れるなどを通じ、負債残高を縮小させる努力を続ける必要があると強調した。

《ZN》

 提供:フィスコ

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