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【市況】【北浜流一郎の乱にチャンスあり!】 「黄金の3ヵ月」が到来!


●株式市場の好パフォーマンスに期待

 季節は秋も深まってきた。今年もとうとうあと2ヵ月となり、否応なく年末相場が意識される日々だ。

 9月に絶好ともいえる展開を見せた日経平均が、10月は不安定極まりない動きになっただけに、年末までの2ヵ月が案じられるのが正直なところだ。

 しかし、この時期は目先の2ヵ月だけでなく、来年1月を含め、3ヵ月を一区切りとして対応した方がよい。11月から1月にかけての3ヵ月は、1年のうちで最も株価が上がりやすい期間。私はそれを「黄金の3ヵ月」と読んでいるほどだ。

 過去のデータにもそれが現れている。日経陰陽月足のデータを見ると、11月~1月の上昇・下落回数は次のようになっている。11月上昇34回-下落30回、12月39回-25回、1月44回-20回。だから、今回も同じようになるとまでは断定できない。しかし、期待は持てるし、それに応えてくれる展開が想定される。

 根拠として挙げたいのは、懸念材料が明確になっていることだ。それはもちろん、米国の量的金融緩和の縮小問題だ。米国市場が期待しているのは金融緩和の継続。そのため、雇用関連のデータ、特に雇用が期待したほど増加しないことを望んでいるほどだ。その他の指標にしても、改善よりは低迷、下降となることを望んでいて、今後も当面この点に大きな変化はないだろう。

 つまり、米国経済の回復が思わしくなければ、量的金融緩和の縮小が先送りにされる可能性があるとして株は上がる。こんな奇妙な状況が続くと見てよい。もちろん、それにも限界があり、あまりに悪化するようだと、さすがに下げてしまうだろうが、いまのところその心配は無用だ。雇用の改善は遅れているものの、上場企業の収益は着実に伸び続けていて、増収増益企業が多いからだ。なかにはキャタピラーのように減収減益予想企業もあるにはあるのだが、NYダウ算出30社のほとんどは業績好調だ。

 この点を考えると、米国経済が当面急失速することなどまず考えられない。それなのに金融緩和が続くのだから、すでに史上最高値水準にあるNYダウやS&P500だが、なお高値を目指す可能性が高い。

 問題は東京市場がそれにどこまで追随するか。この点になるわけだが、残念ながら市場全体の騰勢はなかなか高まりにくい。米国の金融緩和継続は米国市場にはプラス要因ながら、同時に為替市場ではドル安・円高要因となるため、東京市場は足を引っ張られてしまうからだ。

●円高・消費増税への対応力

 それでは、「黄金の3ヵ月」にならないではないか。こんな反論をいただきそうだが、今後、東京市場が評価していくのは円高対応力、消費税引き上げへの対応力の強さになる。これらの負荷があるにも関わらず収益を伸ばし続けられる企業。これらに今後、積極的な投資がなされると見てよい。

 最近の例では、日電産 <6594> や村田製 <6981> などがある。日電産は精密小型モーターの世界首位ながら中小型への進出により、一時落ち込んだ収益が完全に回復、いまや増収増益に転じている。村田製はスマートフォンやタブレット向けに得意とするセラミックコンデンサーなど電子部品需要が増え、14年3月期の収益予想を上方修正した。

 このようなことは、多くの企業で見られることであり、当然、株高要因となる。ところが、市場では相変わらず先行きに対する悲観的な見方の壁が厚く、せっかくの好材料も無視されたり、軽視されたりしているのが実際だ。

 実はこのような状況が続く間は、株価は上がることが多く、実際の値動きもその通りになっている。前述した2銘柄はもちろんだが、日経平均の上昇力は弱いのに、株価が新値に進む銘柄が意外に多いのが実際だ。

 こんな状況下だけに、これから始まる「黄金の3ヵ月」も、収益好調、それも上方修正されるほどの銘柄はしっかりウォッチングし続ける。これが非常に有効になるため、当チャート誌は全銘柄をチェックする。これを心がけたい。

 具体的な投資対象としては、前述した村田製をはじめ、極小ベアリング世界首位のミネベア <6479> 、インドでの音楽教室展開に力を入れはじめたヤマハ <7951> など、円の反発に負けない企業が魅力的だ。

 他では食品、飲料容器成形機に強いASB機械 <6284> 、これから寒くなることを考えると前回も取り上げたエアコン世界首位のダイキン <6367> だ。

2013年11月1日 記

「チャートブック週足集」No.1497より転載


(「株探」編集部)

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