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【経済】「プロジェクトX」のパルモア病院が民事再生申請


医療法人財団パルモア病院(神戸市中央区)が10月30日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、保全命令を受けたことが分かった。診療は続けるという。
同法人は1951年10月に設立、1956年にパルモア病院を開院した。診療科目は小児科、産科・婦人科、内科、麻酔科。
2007年には国連児童基金(ユニセフ)と世界保健機関(WHO)の「赤ちゃんにやさしい病院」に認定されるなど、産科と小児科を併設して新生児医療に取り組む「周産期医療」のパイオニアとして知られていた。NHKの「プロジェクトX~挑戦者たち~」に先進的な医療の取り組みが取り上げられたこともある。
2011年3月期には年収入高は約13億5900万円、経常利益約5900万円を計上し、安定した経営を続けていた。しかし、かつてのグループで英語専門学校を運営する準学校法人パルモア学院と貸付金や不動産の所有権を巡って続いていた係争が2012年2月に結審。2012年3月期の年収入高は約13億2400万円を確保していたものの、判決を受けて不動産の評価替えなどを行ったことから、約2億6900万円の当期損失を計上した。その後、施設老朽化に伴い、2014年9月に神戸市東灘区に移転する計画を立てていたが、病院の借入金返済をめぐり連帯保証人のパルモア学院と新たな係争を抱えたことから、資金繰りに行き詰まったという。
負債総額は2013年3月末時点で約14億6800万円。
知名度だけでなく満足度でも高い評価を得ている病院だけに、診療以外のことでこのような事態に陥っていることは社会的な損失だろう。再建に期待したい。

《YU》

 提供:フィスコ

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