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【市況】<魁> 銘柄レポート  反発、米株最高値、円反落し日経平均は1.45万円台回復

  30日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比176円35銭(1.23%)高の1万4502円35銭と反発し、22日以来6日ぶりに1万4500円台を回復した。29日の欧米主力株式市場は揃って上昇し、NYダウ、S&P500種指数は過去最高を更新した。企業の好決算発表と量的金融緩和策の長期化期待を背景に資金流入も続いており、東京市場でも円が対ドル、ユーロで続落していること、大手企業の思わぬ業績不振には驚かされるものの概ね順調な決算発表となっており、買い先行の展開となった。

  TOPIXは前日比11.00ポイント(0.92%)高の1204.50と反発に転じ、4日ぶりに1200ポイント台を回復した。なお、日経平均、TOPIXとも23日から6日連続で上げ下げを繰り返しており、上昇ピッチ加速には至っていない。全33業種中で値上がりしたのは29業種となり、値下がり業種は4にとどまりった。値上がり率上位5業種は、1位が2.05%高の海運業、30日付け日本経済新聞朝刊が「海運大手3社の2013年4-9月期の連結経常利益はそろって大幅に改善したようだ」と報じたことが買い材料視されたようだ。外航バラ積み船運賃の総合指数であるバルチック海運指数は29日に前日比68ポイント安の1551と大幅に9日続落し9月10日以来の低水準に下げたものの、新聞報道が買いを引き付けた?2位はその他金融2.02%、3位保険1.83%、4位証券・商品先物1.83%高と金融関連が揃って反発。5位金属製品は1.70%の反発だった。

  一方、値下がりした4業種は1位が鉄鋼で1.47%の3日ぶり反落、2位鉱業は0.65%の3日ぶり反落、3位空運が0.58%続落、4位に水産・農林業が0.15%の3日ぶり小反落で続いた。なお、値上がり率最下位はゴム製品で0.14%の小反発にとどまった。

  1部市場出来高は前日比5億7760万株増の34億8076万株と連日で5億株超の大幅増加で9月19日以来の高水準となった。売買代金もまた8472億円増の2兆7213億円と大幅に2日連続で増加し、9月13日以来の高水準となった。1株当たり売買単価は前日比136.4円高の782.0円と大幅に3日ぶり上昇した。時価総額は前日とは一転、活況裏に急伸したことから3兆6716億円(0.88%)増の422兆3242億円と増加に転じ、依然、420兆円台攻防戦は続いている。

  日経平均指数採用225銘柄のうち、値上がり銘柄数は82.2%の185(1部市場全体では60.8%の1067)と大幅に増加、値下がり銘柄数は13.8%の31(同34.1%の598)と急減し、25日移動平均騰落レシオは前日比2.0ポイント高の97.5と4日ぶりに上昇に転じた。

  年初来高値を更新した銘柄数は前日比18増え59銘柄と23日以来の水準に回復した。7日連続で更新したのはジャステック <9717> 1銘柄、5日連続はウエルシア <3141> と日コン <5269> の2銘柄、3日連続では西松建 <1820> 、NSSOL <2327> 、コカイースト <2580> 、宮地エンジ <3431> 、リゾートトラ <4681> 、ピジョン <7956> の6銘柄が、2日連続では、東洋建 <1890> 、日特建 <1929> 、日立金 <5486> 、富士電機 <6504> 、日立国際 <6756> 、スタンレー <6923> など13銘柄が更新した。そして、大末建 <1814> 、三井住友建設 <1821> 、佐田建 <1826> などが低位建設株が大商いで高値を更新し、TAC <4319> 、ストップ高したTAC <4319> や駒井ハルテク <5915> 、オムロン <6645> などを併せて37銘柄が高値を更新した。

  一方、年初来安値を更新した銘柄数は前日比1減の3日ぶりゼロとなった。

  ストップ高銘柄数は前日比1増の3に。ストップ高引けでなお19万株の買い注文を残したTACと、一時ストップ高した駒井ハルテクと明治海 <9115> の2銘柄があった。一方、ストップ安銘柄数は24日連続でゼロとなった。

  銘柄別値上がり率トップ5は、1位がTACで80円(34.3%)ストップ高の313円、2位は駒井ハルテクが61円(22.7%)高の330円で入り、3位はエクセディ <7278> が472円(18.8%)高の2979円、4位タダノ <6395> は191円(16.2%)高の1372円で続き、5位には日農薬 <4997> が116円(10.5%)高の1221円で入った。

  一方、値下がり率ランキング上位5銘柄は、1位が3日ぶり大幅反落のアイロムHD <2372> で170円(12.3%)安の1210円、2位はアイスタイル <3660> が95円(11.9%)安の704円で入り、3位はアクリティブ <8423> が2240円(11.0%)安の1万8110円で続き、4位はモノタロウ <3064> 274円(10.4%)安の2356円、5位には日精線 <5659> が43円(8.9%)安の439円で続いた。

  そして、銘柄別出来高ランキング・トップ10は、1位が2日連続の○三井住友建設 <1821> で3億9898万株と低位株人気に乗り出来高はさらに膨らんだ。3日連続の2位は2ケタ銘柄のキムラタンで1億3587万株、3位もまた2日連続の●みずほFG <8411> だが7727万株と1億株台割れ、4位アイフル <8515> は7573万株、5位は新日鉄住金 <5401> が7408万株で続いた。6位は東電 <9501> 、7位野村 <8604> 、8位鉄建、9位三菱UFJ <8306> 、10位にはマツダ <7261> が4122万株で入った。
  出来高上位30銘柄の星取り表は前日の16勝13敗1分から16勝12敗2分とわずかに好転し3日連続で勝ち越し、1部市場出来高に対する上位10銘柄合計出来高10.1億株のシェアは前日比8.2ポイント下がり29.1%に後退した。
(執筆者:熱田和雄 ストック・データバンク)

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