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【材料】本日の注目個別銘柄:ファナック、TAC、アドテストなど


<6954> ファナック 15780 -380売り優勢。前日に発表した決算内容が嫌気材料視されている。上半期営業利益は前年同期比26.5%減益の749億円、従来計画620億円を大きく上回ったほか、市場コンセンサスも上回ったとみられる。ただ、今回公表した通期計画1478億円は市場想定の1600億円程度を下振れ、ネガティブ視される格好に。7-9月期の受注高は1015億円にとどまり、4-6月期の1141億円からは減少、下期の見通しは保守的との見方にもつながりにくくなっているようだ。

<6645> オムロン 3830 +220買い優勢。昨日の決算でポジティブなインパクトが強かった銘柄。上半期営業利益は308億円で前年同期比71%増益、従来予想の225億円を大幅に上回る着地となった。通期予想も580億円から650億円にまで上方修正へ。市場コンセンサスは上半期が260-270億円レベル、通期が630-640億円レベルであったとみられる。もともと好業績期待は高かった銘柄だが、制御機器事業の利益率改善などが想定以上に進む格好になっているようだ。

<6395> タダノ 1372 +191急伸。昨日決算を発表した銘柄の中では、ポジティブなインパクトが目立った銘柄と捉えられる。上半期営業利益は103億円で前年同期比2.4倍、従来予想の73億円を大幅に上回った。また、通期予想は155億円から192億円に、市場予想を上回る水準まで上方修正している。年間配当金の引き上げも発表しており、想定以上の好決算がストレートに好感される流れへ。

<3064> MonotaRO 2356 -274大幅安。前日に第3四半期の決算を発表、通期予想は下方修正しており、高成長銘柄としての位置づけが高まっていたことから、失望売りが集まる展開になっている。第3四半期累計営業利益は30億円で前年同期比41.6%増益、上半期の44.8%増益に対して、7-9月期では36.7%増益と、増益率はやや鈍化の方向に。通期予想は従来の40.5億円から37.7億円に下方修正している。中小製造業を中心とした既存顧客の需要が回復に至っていないもよう。

<4997> 日本農薬 1221 +116買い優勢。野村では投資判断を「ニュートラル」から「バイ」に格上げ、目標株価も790円から1500円にまで引き上げており、評価材料につながっている。チョウ目害虫用殺虫剤であるフェニックスの販売が大きく拡大、13 年の同剤世界販売額は従来の242百万米ドルから約460百万米ドルに大幅に引き上げられており、来年はさらに2割の増加が予想されるようだ。株式市場は同商品の成長性を過小評価しているとの指摘。

<7276> 小糸製作所 1806 -104下げ目立つ。昨日発表の決算内容がネガティブ視されている。上半期営業利益は163億円で前年同期比6.9%減益、第1四半期決算時に上方修正したレベルでの着地となっている。一方、通期予想は420億円から400億円に下方修正、自動車部品セクターは業績上振れ期待が高かっただけに、ネガティブなインパクトが強まっている。北米の生産性低下、中国での販売回復の遅延などが下振れの背景と見られている。

<4319> TAC 313 +80ストップ高。前日に発表した上半期の業績上方修正がポジティブなサプライズにつながっている。営業利益は従来予想の6.9億円から14.9億円、前年同期比3倍にまで増額修正。公務員講座や金融・不動産分野の想定以上の堅調推移などが背景になっている。第2四半期の収益水準は低下が想定されていただけに、インパクトは強まる状況のようだ。

<6857> アドテスト 1177 -90大幅続落。前日に上半期の決算を発表、大幅赤字決算を嫌気する動きになっている。先に通期業績の下方修正は発表していたが、上半期の赤字額は想定以上との見方になっている。7-9月期営業赤字は47億円、4-6月期比較で14億円の損益悪化となっている。また、7-9月期の受注高は214億円で前四半期比46%減、会社計画を約150億円下回っているもよう。通期計画の下振れ懸念なども強まる状況のようだ。

<9115> 明治海運 443 +27一時ストップ高。後場に入って業績の上方修正を発表、その後急伸する展開になっている。上半期経常利益は従来予想の9億円から44億円に増額修正、修正幅の大きさにインパクトが強まる形へ。為替差益の計上が業績上振れの主因とみられる。ただ、第1四半期の段階で31.7億円を計上していたため、大幅な上方修正は想定内とも捉えられる状況か。なお、通期予想は従来の12億円から28億円に増額している。

<8515> アイフル 482 -14後場は一時下げが目立つ。同社の他にもアコム<8572>やJトラスト<8508>など消費者金融株の下げが目立っている。本日、東京地裁による武富士訴訟の判決言渡の期日となっているもよう。詳細は不明ながら、思惑的な動きにつながっていると受け止める声が多いもようだ。また、金融庁による3メガ一斉検査報道なども警戒材料視。

<3632> グリー 852 +21ガンホー<3765>の急落を受けてゲーム関連が全般さえない中で、相対的に強い動きが目立っている。SMBC日興証券が投資判断を「3」から「2」に格上げしており、ショートカバーなども誘っているとみられる。SMBC日興証券では、セクター内における相対的な割高感が後退したこと、広告費や人件費の抑制で営業利益の減少に歯止めが掛ってきたとみられることなどを格上げの背景に。ちなみに、7-9月期営業利益は前四半期比で4%の増益を予想しているようだ。

<5401> 新日鉄住金 331 -9軟調。場中に決算を発表、その後は売りが優勢の展開となっている。上半期経常利益は1737億円で前年同期比8.9倍、従来計画の1500億円を上振れる着地となった。市場コンセンサスも上回ったと見られる。一方、通期予想は従来の3000億円から3400億円に上方修正、3700億円前後であった市場コンセンサスには届かなかった。サプライズは限定的ながら、目先の出尽くし感にもつながって手仕舞い売りが優勢となっている。
《FA》

 提供:フィスコ

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