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【経済】週刊ダイヤモンド今週号より~オリンピック便乗交通 “実現か幻か”


2020年の東京オリンピック開催が決まり、交通の整備計画を抱える関係者は、「一気に実現させるまたとないチャンス」と色めきたっています。ただ、人口減少時代に入り、長大な新線の整備は難しい時代にもなっています。今週号の特集では、東京オリンピック決定で進む首都圏の交通インフラ整備計画をクローズアップしています。

2020年東京オリンピックに向けた交通インフラ整備のポイントは、「少しのすき間をつなぐことで時間を短縮し、格段に“速達性”を改善すること」。その筆頭となるのが、「新空港線(通称:蒲蒲線)」です。JR(東急)蒲田駅と京急蒲田駅との間の約800メートルを地下鉄で結ぶというもので、実現すれば東京南西部を中心に羽田までの移動時間は格段に短くなると見込まれています。

ただ、わずか800メートルをつなぐための新空港線の総事業費は1080億円。開通によってメリットの大きい東急電鉄<9005>は計画に前向きですが、費用を一部負担する東京都や、既存路線の利用客減少を気にする京急電鉄<9006>は及び腰だといいます。

このほかにも、羽田~東京駅~成田を結ぶ「都心直結線」、東京メトロ半蔵門線・住吉駅~有楽町線・豊洲駅をつなぐ「地下鉄8号線」などが構想として挙がっていますが、オリンピックに乗じて実現させたい地元と、財政負担の大きい東京都とでは温度差が大きい状況。開催期間わずか1カ月のオリンピック後も使える交通手段としての効果を明確に打ち出せなければ、新線整備は幻に終わるとダイヤモンド誌では指摘しています。

《NT》

 提供:フィスコ

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